和菓子セミナー (2016.10.23 Sun.)

2004年6月4日に受講したセミナーについて、KIMONO真楽というSNSの日記に書いていた。今月31日をもってサービスが終了されるので、こちらにお引越し。

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かな書を習っている大正大学の浜松町サテライト教室にて 「伝統の和菓子」というセミナーを受講する。お話は虎屋文庫の中山圭子氏。和菓子の歴史と魅力に ついて90分、語りとスライド。お茶を本格的に始めるまではまったく和菓子について愛がなかった私。だんだんその魅力が わかるようになり少し勉強をしたいなと思っていたときのタイムリーなセミナーだった。

例えば“羊羹”が羊の汁物の見立て料理とか“金つば”が刀の鍔を模ったもので、もともとは丸かった、と言った和菓子好きの人にはたぶんポピュラーなお話も私には初めて耳にするものばかり。

奈良平安時代に中国に留学した遣唐使が唐菓子を持ち帰り鎌倉室町時代に中国に留学した禅僧により点心(羊羹・饅頭)が伝来し、室町時代以降、ポルトガル人の貿易商や宣教師によって南蛮菓子(金平糖・有平糖・カステラ・ボーロ・鶏卵素麺)が伝えられ、そして江戸時代中期に大成された和菓子。それには平安貴族の衣装の色合わせ「かさねの色」に共通の美意識が織り込まれている。

今日のセミナーの覚え書き。
椿餅・草餅(オリジナルは母子草、3月3日に必ず用意、厄除け) ・亥の子・海老羹・コンフェイト(ポ、金平糖、日本は2週間、ポルトガルは5日から10日で作る)・ボーロ(ポ、お菓子の総称)・カステラ(ボーロ・ド・カステラ、スペインの菓子の意、それが短くなった)・かせいた(細川家伝来の菓子)・Marmelada*(かせいたの原形)・幾世餅・粟餅売り・飴売り・ふのやき(利休好み、クレープ状、中に味噌など)・友千鳥と色木の実(尾形光琳が虎屋に注文)・白と緑(菱餅のオリジナルカラー)・あこや、ひっちぎり(関西の雛菓子)・男重宝記(なんちょうほうき)・落雁(降りて来る雁)・参勤交代(地方での菓子の発達に寄与)

江戸の人々の色や素材での「見立て」のセンスには脱帽!

*2022.01.10追記:正しくはCaixa da Marmelada