出汁 (2017.03.25 Sat.)

お稽古は、利休棚に透木釜。終えて表千家北山会館の公開文化講座「京の食文化〜私のこだわり〜」へ。講師は髙橋英一氏(南禅寺 瓢亭 主人)。瓢亭さんの一番だし(枕崎産まぐろ節)と家庭用の一番だし(かつお削り節)の取り方を教えていただき、それを使った「わりだし」の作り方と応用を学ぶ。すぐに実践できる内容でうれしい。関西は軟水で昆布が抽出されやすい、よって昆布だし。関東はその逆に硬水なので、かつおだし。なるほど!お水の違いも考慮に入れなくてはいけないのですね。目から鱗。「お料理は楽しくやらないと美味しくできない」という持論を持つ高橋さん。「出汁に力を入れてもらいたい」と強調されていた。固形や顆粒はなるべく使わないように、一手間かけたお料理がやはり美味しいのです、と。ユーモアもあってお話も楽しい。大阪の天王寺かぶらが京都で根付いて聖護院かぶらに、信州では根が退縮して野沢菜に、一汐ものを「ぐじ」生のものを「アマダイ」と呼んだ、鯖街道の終着点が「いづう」さんだった、などのこぼれ話もたいそう面白く。後半は、京料理の発展してきた道筋と、スライドで懐石料理についてご説明をいただき、茶の湯を学ぶもとしては大いに勉強になった。本だけではわからない細かなニュアンスなども理解できたのもありがたかった。

瓢亭さんにもぜひ一度伺わなくてはと思った次第。そして西陣のスッポン料理やさんにも!

友人制作のペン入れを持って。布は田中昭夫さんの正藍型染。すてきなお誕生日プレゼントで学びにも力が入ります。ぐっ。

ペン入れ

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