ヒオドシチョウ・ファイナル!(2015.05.24 Sun.)

日々観察を続けていた蛹、今日になって色がだいぶ変わってきた。蝶の模様が透けて見える。これは羽化が近いのでは。午後かな、夜かな、思いを巡らしながらお昼に出る。

お気に入りのおそば屋さんで美味しいお蕎麦をつるつるっとやって、お買い物へ。ちょいと遠目のスコップ・アンド・ホーさんへ野菜を仕入れに。もう一件寄ってから戻ろうと歩いていたらiPhoneが鳴った。「羽化してたよ!」とやぎ。もう一件はスキップして慌てて戻る。こどもの誕生に間に合わなかったお父さんの気持ちだ。なんでお昼に出ちゃったんだぁ〜(涙)

ころげるように勝手口から庭へ。よかったぁ、まだいたっ!斯くなる上は飛び立つ瞬間は絶対に見逃すまい、とカメラ片手に庭に陣取る。翅が乾くまでどれくらいかかるのだろうか。

しばらく動かず。だいぶ経ってから、羽を一瞬広げる。ときどき透明な液がしたたり落ちる。何度かこの繰り返し。地面には最初に落としたと思われる赤い液、「羽化液」と呼ばれるものが落ちていた。

少しづつ場所を変えながら、なんどか羽を広げる。近寄ってよく見ると、白っぽかった脚が黒くなってそれまで羽のラインにぴったり添っていた触覚が離れていた。いよいよ飛び立つのだろうか。そうこうしている内にささっと動き出しひらひらっと飛び立っていった。時計を見ると午後2時38分。お昼に出たのが12時少し前で、おそらくその後ほどなくして羽化したと思われるから、羽化から飛び立つまでおおよそ2時間半というところか。

庭の18匹の蛹の内、無事羽化できたのはこの一匹だけ。でも一匹だけでも無事羽化できてよかった。来春生まれ育ったわが家のエノキに戻って来てくれますように。それにしても産卵から羽化までつぶさに見ることができてうれしかった。貴重な体験。命の神秘とすごさをかいま見た。小さな蝶がとても大きく見えて、大きな自分が小さく思えた。今日の天気は晴れ。湿度も低く快適。青空にヒオドシチョウのオレンジがよく映える日だった。