ここでは、ボクセルオブジェクトを高速に表示するエモン技術と
それを利用したプロトタイプアプリケーションを紹介しています
〜 方程式を解かなくても物はそこにあるのだ! 〜
● エモンとはなんぞや?
エモンとは、Macintosh(パソコン)でボクセルデータを高速表示&編集するための技術です。2003年3月6から8日まで渋谷で開催された「Friends of "X" 〜Macプログラマーのソフトウェア展〜」で、エモンを搭載したプロトタイプのアプリケーションを発表しました。現在、「EmonC」と呼ばれるJPEGやDICOM画像、そしてMovieファイルからボクセルを作成するコンバート・アプリケーションと、「EmonV」と呼ばれるエモンテクノロジーを搭載したボクセルオブジェクトのビューア・アプリケーション(両方ともDual CPUとPPC G4&G5のAltiVecに対応)、加えて、いくつかのサンプルボクセルデータを公開しております。興味ある方はダウンロードして、「ボクセルとはいったいどんな物なのか?」をご確認ください。高速のMacintoshを所有されている方は、人体のCT画像から作成されたボクセルを表示し、実際に「物体グリグリ感」を試すことが可能です(笑)。
「EmonC」(Universal Binary)や「EmonV」そしてサンプルボクセルが登録されているエモン・ダウンロードサイトはこちらです...
エモンを利用した歯科用アプリケーション「DX_Voxel」が株式会社プラネットから販売されています。
● ボクセルとは何ぞや?
ボクセルとはピクセルの親戚です(笑)。ご存知のように、ピクセルデータとはX,Yの2次元方向に「点」を展開したものです。この点に色を付ければ画像になります。デジカメで撮影した写真や、Photoshopで描いて保存したJPEG画像ファイルなどがそれに相当します。ボクセルとは、そうした2次元のピクセルデータをZ方向へも展開したものです。Movieも時間軸に展開したピクセルデータを持ちますが、こちらは断片としての映像のみが意味を持ちますのでボクセルとは異なります。ボクセルでは、X,Y,Z方向の3次元データを一度に表示することになります。そして、データの内部でも外殻でも...あらゆる角度から...どんな断面でも..即座にすべてを表示できる所に意味があります。
医療番組などで、よくCTスキャナーによる人体の輪切り映像が放映されます。モニターに表示されているのは、あるスキャン位置での輪切り映像ですが、スキャナ内部にはスキャン方向に対して何枚もの輪切りデータが保存されているはずです。これをひとつにまとめた物が、ボクセルオブジェクトの典型的な例です。たとえば、512x512のフルカラー画像(1ピクセル4バイト)は1Mバイトの容量がありますが、512X512X512のフルカラーボクセルオブジェクトの容量は512Mバイトにもなります。ボクセルデータでオブジェクトを表現する場合、それを保存するために大容量のメモリが必要となります。
● 一般的な3D CGとどこが違うのか?
通常の3D CGでは、モデリングとレンダリングの過程を経て3Dオブジェクトを表現します。でき上がった3Dオブジェクトは「映像」としてのみ意味を持ちます。ですから、CGアニメで3Dの人物が歩いていたとしても、映像として表示されない個所のデータ構造には頓着する必要がありません。つまり、体の中が空っぽでも構わないわけです。もし内臓を表示がしたければ、レベルに応じて内臓自体もモデリングする必要があります。NHKの医療スペシャル番組などで登場する映像などはそうした種類のCGです。しかし、視聴者に見せなくてもよい部分については(内臓の中とか)やはり空でもかまわないわけです。
通常の3D CGを「張り子のトラ」や「青森のねぶた」に例えるとすれば、ボクセルは大理石、木材、粘土、とにかく空間の中に何かデータが詰まっている状態を想像すると理解しやすいでしょう。3次元空間に「点」が存在し、その点に適切な色を付けると陶磁器や彫刻になる...でしょうか(笑)。ボクセル表現は、映像の美しさや表現力、表示スピードといった点では、現在の3D CGに及ぶところではありません。しかし、それとはまったく別の表現力を持ち、新たな応用範囲を開拓する可能性があります。メモリ内に保存されているデータを直接「いじる」ような感覚は、現在の3D CGでは味わえない何かを持っています。
● それではエモンの機能紹介
エモンを利用したプロトタイプアプリケーションでは、各種データからボクセルオブジェクト生成し、それをモニターに高速表示し、何らかの編集を加えること試みています。どれも実験的な試みなのですが、そこからはボクセルオブジェクトを応用するためのヒントが見え隠れします。
それでは、このアプリケーションの機能を簡単に紹介をしてみます。添付されている画像はマウスクリックで拡大表示できます。
(1)作る
立方体や球体、円柱、円錐などのディフォルトオブジェクトを作成するだけではなく、連番ファイルとして提供された複数のJPEG、TIFF、PICT、DICOMファイル、またMovieファイルからの画像をコンバートしてボクセルオブジェクト化することも可能です。静止画やMovieからの取り込みでは、不要部分を除外するためのレベル調整やマスク設定も可能です。また、回転体、平行体(押し出し)、自由図形などの手書き画像をボクセル化するツールも持っています。256x256x256x1バイトのオブジェクトであれば、400MHz G4搭載マシンでも、そこそこストレスなく扱えます。