2004/10/7(木 giovedi)小雨・くもり ■海へ!■

タクシーを呼んでもらったら昨日のシニューラだった。私たちの顔を見てとても恥ずかしそうにしているのが可笑しい。昨日プラクティスしたのでもう大丈夫だという。そう願いたい(笑)駅に無事着いて値段を聞くと“Come ieri(昨日と同じで)”、えっ、迎えに来てもらったのに?なんとも鷹揚だ。手持ちの小銭が€10しかない。それだけでいいと言う。申し訳ないのでありったけの小銭を渡す。

11:07分のCavallermaggiore行きに乗り、Savonaで列車を乗り換えて40分程でアルベンガ着。歩いて海沿いのホテルへ。ここはイタリア人に人気のリゾート、でも季節外れのため人影もまばら。その淋しげな風情に、はずしてしまったか?と不安になる。とにかく荷物を置いてさっそく探検。10分ほど歩くとだんだん賑やかになる。そして旧市街地Citta vecchia。あぁ、こっちは賑やかなのね。Citta vecchiaいい感じ。13世紀のカテドラーレ、14世紀の鐘楼などを見ながら街の様子をうかがう。なかなか楽しく過ごせそう。ほっと胸を撫で下ろす。

夕食にさっそく海の幸を堪能するべくリサーチ。やはり地元の人に聞かなくちゃね。ホテルのお兄さんに声を掛けると居合わせた方と二人で即座に3件候補があがる。こんなときイタリア人ははっきりした意見を言ってくれるので助かります。それにイタリア人のお勧めはかなりアテになるし。その内のひとつ、少し特別な日に行くというPernambuccoから攻めてみることに決定。

お店はちょっと面白い設え。エレガントなようでもあり雑多なようでもあり。小柄な男性に案内され席に付く。ふふふ、今夜は楽勝。だって食べ慣れている魚介だもの。と余裕だったのも束の間。アンティパストの途中でそれは間違いだったことに気づく。アンティパストは盛り合わせとムール貝をそれぞれオーダー。さすがにちょっと高いお店だけあって、お料理は凝っている。ムール貝はよく出てくるようなただの蒸し物ではなく、中にいろいろ詰め物がしてある。これがこの辺りの料理方法らしい。それにしても量が多い。普通高いお店って量が少ないんだけど。とにかくアンティパストは平らげた。この調子だとパスタを一人前食べ切れないので、一つを半々にとお願いする。そうしたらシニョーレったらいたずらっぽく笑って、アンティパストまだあるんだよ、だって。いや〜ん、からかわないでくださいよ、と思ったら本当にもう一皿出てきた!アルバに続きここでも涙目のわたし。とほほ... 

ここは奥様と息子さんのお連れ合いが厨房を取り仕切っている。奥様もおきれいな方だったが、息子さんの連れ合いがこれまた美人!親子して面食いなのねぇ。そして息子さんはワイナリーAzienda Agricola Alessandri Massimoを経営。白ワインはしっかりこちらのワインを勧められました(笑)この辺りの地元品種、Pigatoで出来たCosta de vigne。ちょっと変わっている。そうそう、ここの厨房に去年は日本の青年がいたそうで(今はシェフの学校へ通っているとか)Pesce crudeがSashimiとなっていた。


2004/10/8(金 venerdi)くもり時々雨 ■音楽祭の街、サンレモへ■

海岸線をフランス方面へサンレモSanremoまで。近づくと長いトンネル。このトンネルを抜けるとサンレモなんだと思っていたらなんと駅は地下だった。列車を降りて出口まで相当な距離。駅の雰囲気がイタリアの他の駅とはずいぶん違う。さすがに世界的に有名な音楽祭の街は違うなと感心する。ようやく長いアプローチを経て出口に。外へ出て振り向くととても駅とは思えない駅舎の雰囲気。

まずは旧市街、ラ・ピーニャLa pignaと呼ばれる地域へ。オシャレで都会的なサンレモのイメージとは対照的。南イタリアの古い町を思わせる。イタリアの古い街並み、ダンジョンのように入り組んだ薄暗い路地が大好き。歩いているだけでわくわくしてくる。そして中世へタイムスリップしたような感覚。坂道を上り切るとカステッロ広間Piazza Castello。町と港が一望できる。それにしても古い街並みを上から見るのは本当に面白い。イタリアでは高いところをとにかく目指すことをお勧め。塔に登り山に登ると下では決して味わえない美しい風景が広がる。これは必見! 下へ降りてカジノ見学(といても外観だけ)。わぁ、すごい。想像以上にゴージャス。一度着飾って入ってみたいわぁ。そしてその前に広がるマリーナには豪華クルーザがいっぱい。さすがにリゾート地。さぞやお金持ちが集まるのでしょうね、と感心していたらお腹の虫が鳴きだした。さぁ、お昼にしよう。

最初に目指したお店は残念ながらお休みのよう。もう一軒のお目当ても夜だけの営業。その近くの、持参した本に載っていたお店に入る。メニューを眺めるとかなり高い。入ったお店は中程度のお店なのに。さすが世界的リゾート地。結局、アンティパスト2・パスタ2・ハーフボトルの白ワイン1・ミネラルウオーター1・ドルチェ1・カッフェ2で€94.50でした。た、たかい! でもお味はなかなか。ここも厨房は全員女性。そうそう、パスタを食べるときに誰がスプーンを使い始めたのかと長年疑問だったけれど、だってイタリアでスプーン使う人なんていないし、サンレモのフランス人(国境がすぐなのでとても多い)が使っていました!そしてお店のカメリエーラは私たちにも、スプーンを使いますか?と聞いてきた。スプーンを使い始めたのはフランス人、サンレモだけの調査ですが可能性は大。

アルベンガに戻り夜のために少し食料を買い込む。途中良さそうなワインバーを発見。スプマンテを一杯飲んで帰ろうと寄る。そうしたらなんと、スプマンテのおまけがすごいすごい。大きなバケットの上にプロシュートやサラミ、タコのスライスがのったもの。パルミジャーノも結構たっぷり。イタリアではどこでもドリンクを頼むとおつまみが付いてくるけれど、ここのは今までで一番の量。これでお腹いっぱい(笑)スプマンテはAntinori Franciacorta。


2004/10/9(土 sabato)くもり・晴 ■お隣の町、アラッシオへ■

列車でたったの一駅なのにお天気がまったく違う。雰囲気も違う。こちらは外国人の多いリゾート地。空気がアルベンガより乾いていて気温も高い。アルベンガでは海で泳ぐ人はいなかったが、アラッシオAlassioではまだたくさんの人が泳いでいて驚く。持参した小さいパニーノとトマトを桟橋でおやつ代わりにぱくつく。う〜ん、気持ちいい〜。しかしぱくっとかじったトマト、なんと中で種が発芽していた。う〜ん、気持ちわる〜い。味も変。そう、もやしのような味!これは初めての経験で目が丸くなる。この後、海沿いに並んでいるお店に入る。と言ってもとてもいいお天気なので外。ハウスワインの白・魚のフライ盛り合わせ・茹で野菜をオーダー。ハウスワインはリグーリアの微発泡、Fritto mistoはイカ・エビ・2種の小魚。とっても美味しい。お店のお兄さんも感じがいいし、私の鼻はまたしても正解だったのね、と気分を良くする。こういう何でもないお料理が結局美味しくて満足することも多い。お店のおじさんに、いつまで泳げるの?と尋ねたら、好きなときまで、だって。でも自分はもうこの時期には泳がないよって少しあきれ顔だったけど。

アルベンガに戻って旧市街地方面へ買い物に繰り出す。すると広場にテントが並んでいた。近隣の生産者が自分のところの製品を売っていた。Azienda agricola Decaro Vitoのオリーブオイル€10とApicoltura Mugnaini Marcellaのハチミツ(栗Castagno)€3.50を買う。カスターニョのハチミツを初めて美味しいと思った。

夜はお勧めリストランテ第二弾、近くのRistrante Rivieraへ。担当のカメリエーレ、奥様が日本人ということで話が弾む。アメリカのロスで知り合って今年の4月にイタリアへ戻り、奥様は生まれた子供を連れて東京へ里帰り中だとか。彼のお勧めを聞きながらメニューを選ぶ。イワシのレモンマリネと生牡蠣にスプマンテをまず頼み、乾杯。その新鮮で美味しいことに嬉し涙が出そうになる。次にBranzinoという魚の丸ごと塩焼きと野菜サラダ、お兄さんが器用に魚の骨をはずし取り分けてくれる。絶妙な塩加減。そして日本で食べる美味しいお魚同様、甘みもあって身もぎゅっとした美味しさ。これはたまらなく美味しい!Branzino、辞書を引くとSpigolaと同じでスズキとなっているが、お兄さんは違うと言う。ともかく美味しい白身のお魚だった。ドルチェにパンナコッタとマチェドニア(初めてのドルチェ!しかもジェラート添え!!)を頼む。う〜ん、こう言うシンプルなお料理はどんと来いッ。波の音も楽しげにアルベンガ最後の夜は更けていく...

魚介を思う存分楽しんだ後はふたたび内陸。明日はガチョウを求めてパヴィーアPaviaへ。+つづく


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