2004/10/13(水 mercoledi)くもり後晴 ■イタリアの箱根なのか!?■

なぜ今コモ湖Lago di Comoなのか?。コモ湖を訪ねたことのある友人曰く、「イタリアの箱根よ」。これって褒め言葉なのかダメだしなのか、長い間の謎であった。今回最後の訪問地を検討しているときにその言葉を思い出し、そうだコモなら帰国日にそのまま空港へもいかれるじゃん!いざ行かん“イタリアの箱根”へ!!と相成ったのである。湖では以前ガルダLago di Gardaのシルミオーネへ滞在したことがある。とてもきれいだった。そしてななぜかめちゃくちゃドイツ人が多かった。コモは果たして...

パヴィーアから列車に乗りミラノ中央駅Milano Centraleへ出て地下鉄に乗り換えCadorna駅へ。すなわちここが私鉄Nord Milano駅でもある。ここからNord Lagoへ。国鉄のComo S. Giovanniよりこちらの方が町中にある。まずはホテル、ALBERGO FIRENZEへチェックイン。広々とした部屋でバスタブも付いている。わ〜い、久しぶりにお湯に浸かれる!窓からの眺めもなかなかいい。さぁ、荷物を置いたら街へ出よう。

今まで廻ったイタリアとはちょっと違う雰囲気を感じる。う〜ん、何が違うんだろう。あっ、わかった!アメリカ人が多いんだ。イタリアはどこを旅をしてもなぜかあまりアメリカ人には遭遇しない。しかしここ、コモには多い。そう言えば後から聞いた話だとジョージ・クルーニーも別荘を持っているとか。そして箱根に似てなくもない。

果たしてコモで美味しい物が食べられるのか。散策しながら目星を付けていたリストランテで夕食。カメリエーレはどこの人?スイス人なのかなぁ。どこか異国へ来てしまったような錯覚に陥る(イタリアはすでに異国にあらず・笑)。なぜか働いている人が外が気になって仕方がないという感じ。シェフもときどきフロアに出ては外を気にしている。誰かVIPが来るのかしら?それにしてもここのシェフ、目が合っても会釈もしない。やはりどこか遠い国へ来てしまった印象。アンティパストにコモ湖で取れる魚を使った料理を頼む。不味くはないけれど、取り立て感動する味でもなく。少しすると他のお客さんも入って来た。接待のようだ。ちゃっちゃと食べてお店を後にする。コモ湖一日目はあまり良い印象がない。


2004/10/14(木 giovedi)くもり ■ケーブルカー■

ケーブルカーFunicolareへ乗る。駅は昨夜ご飯を食べたリストランテのすぐ隣。かなりの急斜面を登っていく。絶景の眺め。しかし寒い。ケーブルカーを降りて眺めを楽しんだ後、カッフェに入りホットチョコレートで温まる。

町へ降り、ぶらぶらと歩いていたらメルカート、Il mercato copertoを発見。中へ入るとかなり広く様々なお店が出ている。こう言うところへ来るともう狂喜乱舞。楽しくて仕方がない。今まであまり良い印象がなかったコモが一気に好きになる。プロシュートやチーズの専門店。キノコだけを売るおじさん。ウサギや鶏がそのままの姿で並ぶ。何時間いても飽きない空間。楽しすぎる!メルカートの近くでは行き合った人が挨拶をしてくれる。なんだ、コモも地元の人は感じがいいのね(笑)そう言えばコモでは自転車にカゴをつけている人が多い。そのカゴが籐でかわいい。前と後ろ、両方に付けている人もある。街並みに似合ってとてもいい雰囲気でした。

メルカートとは別にスーパーマーケットも見かけた。興味本位に入ってみる。プロシュートやチーズが日本のように白いトレイに乗りサランラップがかけられて売られていた。この光景は始めてみる。あんなに楽しいメルカートが近くにあるのに、味気ないスーパーマーケットでお買い物をする人がいるというのはなぜ?外国人のサラリーマンも数多く見かけたのでそういう人たちの為かしら?“便利がすべてに優先する”、都会のルールを発見してちょっとまたブルーな気分に。

夜はイタリアで初めてインド料理のお店、Namasteへ。なかなか設えもかわいく、味もいい。ただしお魚よりお肉がお勧め。初めてのインド料理@イタリアは満足できるものでした。

コモの印象がぐっとアップして眠りにつく。


2004/10/15(金 venerdi)くもり時々小雨 ■ベラージオへ■

広場に昨日からイタリア国営放送Raiの放送車が停まっていたが、今朝になって数が増えている。しかも湖畔の道路沿いには仮設で何かを建設中。気になって工事中の人たちに尋ねてみる。Giro di Lombardia、自転車レースがあるんだ!しかもこのコモがフィニッシュ地点。なるほど〜。しかしゴールは明日の午後なので見られないなぁ。残念。お兄さんたちは感じが良くていい笑顔。いいじゃん、コモ。昨日のメルカートといい、案外良いところなのかも。

コモ湖は「人」の字の形に広がる湖。向かって左側の一番下に位置するのがコモの町。ベラージオBellagiはちょうど股の部分に位置する町。本当はもっと上の方まで船に乗りたかったけれど、時間の関係でベッラージオまで。ここまで行けばアルプスが見られるのではと期待して、遊覧船のチケット売り場に向かう。時間表がよくわからない。窓口で質問するが、ここのにーちゃんはあまり愛想が良くない。しかも外国人のイタリア語にはつき合いたくないらしい。ここで今回の旅で初めて私の口から英語が飛びだす。英語が出るときは楽しいときではない、と相場は決まっている。上昇したコモの印象がこのにーちゃんのせいで一気に落ち込む。

しかし湖の遊覧はとても面白い。あちこち寄りながら(水中翼船は苦手なのでスローな船にする)のんびり船の旅。目的地ベラージオで下船。なかなか可愛い町。坂道をえっちらおっちら歩いて反対側まで行き、レッコLeccoと呼ばれている片足部分を眺める。そしてコーリコColicoと呼ばれる上部を見渡せるビューポイントへ。古代氷河の底に形成されているのがわかる眺め。すばらしい。しばし時間を忘れて佇んでしまう。この景色を見るだけでもコモへ来てよかったな。

船着き場に戻る途中、鼻をくんくん言わせて入ったお店でランチ。レンズ豆のスープもピッツァもなかなか美味しかった。洒落たエノテカを見つけてお買い物。船着き場の近くでカッフェを飲み、帰りの船を待つ。待合室ではアメリカ人のご夫妻と仲よくなる。奥様は二度目のコモ。ご主人を連れて再訪とのこと。船内でも近くに座ってお話。ムッソリーニが殺された教会を教えてもらう。へぇ、あそこで亡くなったのか...。ご夫妻は途中で下船。手を振ってお別れ。旅先の一期一会。

戻ってからコモでもよさげなエノテカ、Enoteca Da GIGIを発見。お土産と部屋で飲むワインを購入。お店の一角ではカウンターで飲めるようになっていた。美味しそうな食材屋さんでお総菜を買い、最後の夜はホテルでゆっくり。あっ、コモのお菓子も忘れずお土産に。IL Fornaioというお店で。

明日はついに帰国フライトです。え〜ん。


2004/10/16(土 sabato)晴 ■再びマルペンサへ■

昨日は降ったりやんだりのお天気だったが夜になってまた少し雨足が強くなった。帰国日の今日、お天気が気になったけれど目を覚ましたら青空が広がっていた。あぁ、良かった。夜のフライトなので時間はたっぷり。しかし荷物もあるので早めに空港へ。今日ゴールを迎えるGiro di Lombardia、いよいよ賑やかな雰囲気。あぁ、残念。もう一日あれば見られたのに。

空港へはノルド駅から出ているMalpensa Expressを使う。なかなか快適。空港に着いてフライトまでかなりあるのでチェックインが出来ない。きちんと食事をとる事にする。以前友人達とレンタカーで南イタリアを廻ったときに高速で立ち寄ったAutogrill、そこがやっているリストランテがあった。あまり期待は出来ないと思ったが、想像より美味しい。ワインをゆっくり楽しみフライトを待つ。

JALとアリタリアのコードシェア便のチェックカウンターがある場所は、メインカウンターから離れていて、向かって右手が入り口、左手が出口となっていた。行き先によっては入り口のところで警察官によるパスポートチェックが行われていた。でも出口に人がいる訳じゃなかったからこっちから入ろうと思えば入れる訳で、よく分からないセキュリティーチェック。う〜ん。それから空港ではスーツケースをサランラップみたいなものでぐるぐる巻きにするサービスがあちこちに。同じサービスを複数の会社で提供しお客を取り合っていた。このサービス、成田に着いてから外している人を見かけたけれど、多量にゴミが出るのが難点だね。
問題なく飛行機は飛び立ち、帰国の途に...

今年のイタリアも多くの出会いがあった。何度訪れても飽きずに私たちを魅了する国、イタリア。もちろん腹の立つこともあきれる事も、時にはある。でもそれにも増して歓びが多い。イタリア以外のヨーロッパへ、これはまだまだ実現しそうにない(笑)


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