2005/10/5(水 mercoledi)晴 のち 雷雨  ■パヴィーアへ■
ヴェローナは朝方だけ晴れてすぐに雨。雷まで鳴り出した。駅に向かうタクシーの運転手さん。いつもはこんなことはないのに、という。ともかく昨日晴れてよかった。次に来るときはもう少し長く滞在しよう。

昨年も訪れたパヴィーア。アンジェロおじさんの料理が食べたいばかりにこの町にまた宿を取る。ホテルも前回と同じ。部屋まで一緒で、ふと時間が昨年と繋がってしまう。なんだかずっとこの町にいるような...

お天気も雨だし二度目ということで何をするでもなくのんびり。だって目的はただ一つ、Il Cignoで食事をすることなのだ。ここは私のイタリア食のバイブル本Cibovagandoに掲載されていた。あっ、でも持ち帰る食材は買わなくちゃ。昨年は気が付かなかったけれど(閉まっていた?)広場の下がメルカートになっていた。これなら雨も関係なくお買い物ができる。あれやこれや、ちょっとここには書けないけれど(笑)買い込む。広場の一画にも去年はなかった食材店が出来ていた。さっそく入ってみる。なかなかの品揃え。マネージャーだと思われる人に、かくかくしかじかこう言う土地のものが欲しいと伝えたら専門のスタッフを呼んでくれた。こう言うところもイタリアはいい。日本のように、販売されている製品のことも知らないような人間は、私の知る限りではここイタリアにはいない。自分の仕事に誇りを持って、自分たちの製品を自信を持って販売する。見ていてとても気持ちイイ。そしてとても頼りになる。満足な買い物をしていったん宿へ。さぁ、今日も夕食の時間。

お楽しみは最後に残して、今日は別のお店に。新しく出来たお店のようだ。ふんふん、なかなかいい雰囲気。若い人がやっているので活気もある。と思ったけれど、正直お料理はあまり感心せず。カメリエーレの悪乗りにも乗れず(笑)明日に期待して眠ることにしましょう。

*パヴィーアの町、もう少し詳しくは昨年のコラムで。そしてなぜ「パヴィア」ではなく「パヴィーア」なのか。通常のカタカナ表記のパヴィアではPaviaの町で行く先々でパヴィーア!と直されるのです。だから私のコラムは彼らに敬意を払いパヴィーアとしました(笑)


2005/10/6(木 giovedi)雨 ■クリムトに出会う■

ときどき止むもののなかなか上がってくれない。

ヴィスコンティ城 Castelle Visconteo(内部は市立博物館 Musei Civici)でクリムトデッサン展を観る。なかなか面白い。夜はお待ちかねIl Cigono!!! シェフのアンジェロおじさんが驚きながら迎えてくれる。すぐに厨房にいた奥様のグラッツィエッラを呼んでくれる。あぁ、こう言うとき気の利いたセリフが言えればなぁ。一年経っているのに、私のイタリア語はまったく上達していない。一ヶ月に一度じゃ仕方がないか。とにかく懐かしく嬉しい気持ちは十分に伝わったようだ。私の名前も覚えていてくれて嬉しかった。「去年はこっちのテーブルに座ったんだよね」とアンジェロおじさん。「そうですそうです。あっ、そうそう、あのとき一緒だったお友達がよろしくって言ってました」「どうして彼女は来なかったんだい?」「仕事が休めなかったんです」「それは残念だね」あぁ、アンジェロおじさんはやはりいいなぁ。穏やかでやさしくてそしてシェフとしての腕も確か。奥様のグラッツィエッラもやさしくいつも微笑んでいる。さて、さっそくお料理を選ぶとしましょうか。アンジェロおじさんが「君たちはフォアグラが大好きだよね。だったらこれ」と選んでくれる。フォアグラが大好きなのではなくシェフが作るフォアグラ料理が大好きなんです!と心の中で叫ぶ。そしてもう一品はキノコのクレープ包み。う〜ん、こちらも美味しい!プリモは白トリュフがふんだんに使われたパスタと、ポルチーニがこれまたふんだんに使われたパスタ。アンジェロおじさんのドルチェも楽しみたかったのでセコンドはなし。そしてワインはお勧めのLANGHE "QUATR NAS' 1998 ROCCHE DEI MANZONI。アンジェロおじさんが言うようにこのヴィンテージなのにとてもリーズナブル。そして状態もすこぶる良し!このお店で食事がしたいがために、おじさんたちに会いたいがために、パヴィーアを再訪して大正解。さて、最後はアンジェロおじさん自慢のドルチェ。種類も豊富。次から次へと説明してくれる。う〜ん、どれも美味しいそう!どうしようかなと楽しく悩んでいたら、説明が終わったアンジェロおじさん、これとこれって。へっ?決まっていたのですね。はい、そりゃおじさんの決定に二言はありませんよ。そしてそのドルチェ、ひとつはお米が使われたもの。もうひとつは白トリュフ味のチョコレート。白トリュフ味!?と最初目が点になったけれど、これがうまいのなんのって。しかも合わせてくれたパンテレリア Pantelleriaのデザートワインと一緒に口に含むとまさに至福の味。アンジェロおじさんのレクチャー通り、白トリュフチョコを口に入れ、それがなくならない内にデザートワインを一口。口の中で二つを混ぜ合わせる。まさにマリアージュとはこのことなり!

帰り際、次は車であちこち案内するよとアンジェロおじさん。そして私たちの気持ちだよ、と赤ワインを持たせてくれる。そのエチケットには"Per un bel ricordo del RISTRANTE IL CIGNO con simpatia. Angero e Graziella"と書かれていた。ううっ、その温かい気持ちに涙が出る。ありがとうございます!きっと来年もまたきっと来ます!!そう言うのが精一杯だった。絶対また来年もここへ来よう。素晴らしい建造物を見る、きれいな景色を眺める、美味しいモノを食べる、旅の楽しみは数あれど、一番の楽しみはこうやって誰かと触れ合って心が通いステキな時間を過すこと。今回の旅でもアンジェロおじさんたちに代表されるような素晴らしい出会いがたくさんあった。本当に感謝です。Grazie tante! また来年!!