2006/9/29(金 venerdi) 晴  ■Barbagiaへ、まずはNuoro■

ローマ人がこの山間地帯をバルバージャ(ラテン語で“野蛮人の地”の意)と呼んだ。それは「この地域の島民が、戦う牧羊民族、ヌラーゲの伝統を決して変えようとしなかったからだ」と手元のガイドブック(ロンリープラネット)には記されている。ローマ人ですら入り込めなかった地域へいざ!

まず列車でマコメール Macomerへ。駅のbarでお昼ご飯。パニーノぐらいかなと思って入るとケースにアンティパストが並んでいる。結構美味しそう。キノコの前菜と海の幸のサラダ、かにかま入り(笑)、にサラミのパニーノ、カラフェの白ワインとカッフェ。ワイングラスがとてもちっちゃ〜くて、なんだかそれが旅情をかき立てるというか、古い映画に入り込んでしまったようにも思えて楽しい。地元のおじさんたちもいい雰囲気を醸し出している。

マコメールからヌオーロ NuoroはFDS線。国鉄マコメール駅のといめん(100mぐらい)に駅がある。列車も雰囲気あり。一番前に乗り込んで発車を待っていたら運転士さんが手招きをする。何事かと思ったら運転席へ入れって。えっ!?いいんですか?? どぎまぎしながら隣りに座る。デジカメを首から下げていた私に「ここからはいい写真が撮れるよ」と運転席へ招き入れてくれた。ここからがもうたいへん(笑)ヌラーゲの遺跡や駅、線路の脇に顔見知りを見つける度に「Yoko Yoko」と話しかけられる。写真を撮りながら相づちを打ちつつ、お友達にCiaoって手を振るわたし。撮影ポイントにさしかかるとスピードも緩めてくれて(笑)いいのかなぁって少しどきどきしながらも最高に楽しい!最近線路が新しくなり、曲がりくねっていた部分が真っすぐになったこと。この仕事がとても好きだということ。さらには自分のお給料の話から(しかも支払明細書まで見せつつ・笑)日本の平均賃金のこと(この手の質問はよくされるけれどちゃんと答えられた試しがない)。そしてこれから行くオリエナ Olienaからはどこそこへ足を延ばした方がいいよ、というアドヴァイスまで。でも運転士のCさん、お喋りはするけれど運転は実にしっかり。こう言うところはイタリア人、天才的。普通の席に座っていた連れ合いも隣りのオバサマがヌラーゲが近くなる度に教えてくれたらしい。この路線は景色もすばらしく両脇には状態のいいヌラーゲも多く、本当におすすめ。夏の間はマコメールからボーサ間も列車が走る。詳しくはこちらで。サルデーニャは車ではないと行かれないスポットも多いけれど、今回のように列車だからこその出会いもある。心温かい人たちに心から感謝です。

大満足でヌオーロ着。電話予約したホテル "Grillo"(このホテルは快適でお勧め)に荷物を置いて中心街へ出掛けてみる。ヌオーロの町は思ったより大きくて割合に整った町並み。Torattoria-Pizzeria "Il Rifugio"で美味しい食事。一泊して明日はオリエナへ。


2006/9/30(土 sabato)晴  ■さらに一歩奥へ、Oliena■

ヌオーロからバスでオリエナへ。所要時間15分。ここまでは容易だった。ホテルはここから離れた場所にありメールで予約をしたときに、オリエナにはタクシーがない。でもオリエナの町まで迎えに行きます、とのことだった。タクシーないなんて、と思ったけれど、確かに小さな町でタクシーの陰はなし。年輩の女性も黒くて光沢のある民族衣装をまとっている。とにかくホテルの人に電話をしなくてはと少し歩くと、立派なインフォメーションが!ほっとして中に入る。親切な若いスタッフがホテルに電話を入れてくれる。でもすぐにはホテルの人が理解してくれなくて一時はどうなることかと思ったけれど、最後には無事迎えが到着。あぁ、助かった!

今度の宿泊先はこの旅一番に奮発した宿、"Su Golgone"。一泊二食付きのmezzapensionne。でも今日からシーズンオフ料金。そこはしっかり(笑)。それにしてもロケーションもよくすばらしい!!まずは評判のリストランテで軽めに昼食。うんうん、美味しい!これなら二食付きでも大丈夫でしょう。お部屋も可愛くて、うきうき。

足慣らしに近くを散策。刻一刻と色を変えていく空。山並みの濃淡が美しく心に染みる。あぁ、ここまで来てよかったなぁ。部屋に戻りさっそく着物に着替えて夕食。ドレスアップしている方も多いので、着物を持ってきてよかった。なにより自国の文化を大切にしていることに、ヨーロッパの人たちは敬意を払ってくれるので、ドレスを一着持つよりは(って持ってないけど・笑)普段気慣れている着物を持つ方がはるかに気が楽で有効的。

とてもよい滞在になりそうで、自然に口元がほころびながら眠りに落ちる。


2006/10/01(日 domenica)晴  ■まずは軽く2時間!■

朝食をきもちのいいテラスで済ませ、ラナイットゥ渓谷 Valle di Lanaittoを歩く。約2時間でVillaggio Carrosというヌラーゲの遺跡(集落郡跡)へ。人が歩いて行く方に付いていったら遺跡だった。見学は有料(@8.00)青銅器時代中期、紀元前1300年に作られたもので、円形と楕円に石が積み上げられ小屋を形成している。聖なる井戸や水道もありヌラーゲの人たちの当時の生活を垣間見られて面白かった。ただし遺跡についてはもう少し勉強しなくては。次回までの課題とする(って再訪する気満々です!)。近くにあるGrotta Sa Ohe(洞窟)も見る。

夕食時に出るこの地方のパン、パーネ・カラザウ(pane carasau)とパーネ・グティアウ(pane guttiau)。パーネ・カラザウは薄くてぱりぱりしている。別名carta da musicaと呼ばれ、羊飼いたちが放牧の際、何週間分も重ねて持っていった。スープに漬けて柔らかくして、トマト・卵・ペコリーノをかけて、パーネ・フラッタウ(pane frattau)という料理も作られる(これは食べなかった、残念!)。パーネ・グティアウは少し厚みがあって丸いパン。画像はこちら

明日はいよいよ本格トレッキング。ガイド付ツアーです。どきどき!+つづく


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