2008年9月27日(土・sabato) 晴 ■ボルツァーノへ■

10時31分の列車でアルトアディジェのBolzanoへ。11時21分着。小一時間の移動。アルトアディジェに入った途端、駅名もイタリア語とドイツ語の併記。なんだかわくわくする。ボルツァーノはトレントよりさらにこじんまりした印象を受ける。ロンリープラネット日本語版(03年発行)記載の人口はボルツァーノが9万7300人。トレントが10万8577人。ただし、この町のバールの多さには驚く。到着が週末だったせいか町もたいへん賑わって活気がある。ホテルは駅から歩ける距離。トレントも駅から町中までそれほど距離がなかったが、さらに近い。何もかもがぎゅっと凝縮して存在している感じを受ける。町もまさに南チロル。たいへん可愛らしい。

荷物を置いてさっそくお昼をCavallino Biancoで。12時前なのにすでにかなりの人。女性二人と相席となった。レバーときのこのタリアテッレ、玉ねぎのスープ、ハウスワイン1/2、€18.40。相席の二人連れは母娘で、ウィーンに住んでいる娘さんが週末を利用してお母さんのところへ。このお店は安い(Buon Prezzo)ので早く来ないと座れないとお母さん。そうでしょうそうでしょう。おっしゃるように、ボリュームがあって美味しく安いとあれば、それも大いに頷けます。クミンシード入りのパーネも大変美味でお腹一杯、満足いっぱい。お店を出るときにはかなりの待ち人。

エネルギー満タンで、Duomo、Chiesa di Domenicani、Piazza del Erbe、Chiesa di Francescani。途中見つけたお店display ARTでクリスマスオーナメントを買う。お店のオーナー(男性)は二度日本に行ったことがあるとのころ。なんとその内のひとつは選手として長野オリンピック!日本は美しい国ですよね、とおじさま。すぐにSiと答えられずにいるともう一度、美しい国ですよ、と。嬉しく思うと同時にそうあるように個人でもできることを、と気持ちを新たにイタリアで。

Hopfen & Coで一休み。800年前の雰囲気ある店内でビールをぐいっ。美味しいけれどとても軽い。やはりビールは水なのか!?それにしても断然ドイツ語優勢。イタリア語が通じるオーストリアといったところ。トレントよりさらに標高も高く北なので寒いかと思いきや暖かい。半袖の人も多い。これにはびっくり。

夜は、Vogeleで。上と言われて上に上がる、また上と、結局三階!とても雰囲気のあるお店。歴史が刻み込まれている。しかし階段を上がったり降りたり、上の階には若いカメリエーレ達(笑)家人が鼻風邪を引いてしまい何か体が温まると選んだものはZuppa Thai。どうなの?と疑心暗鬼。でもこれがたいへん美味しい。そして私が選んだ山羊のチーズを使ったアンティパストも美味。盛り付けも洒落ている。なかなか力のあるシェフとお見受けする。色々他にも食べてみたかったが家人の体調もあり、グラスワインの赤を合わせて軽めの夕食。

Photo:左 ヴァルター広場 Paizza Walther/右 大聖堂 Duomo(ゴシック様式)の尖塔

I piatti di oggi


2008年9月28日(日・domenica)快晴 日中汗ばむほど ■アイスマンに会う!■

Museo Archeologico dell'Arto Adige。5000年以上前のアイスマン・エッツィがここにいらっしゃる。1991年に発見されたときのニュースはよく覚えている。しばらくオーストリアに保管されていたが発見場所がイタリアと確認され1998年ボルツァーノに移された。学術調査の結果がよく展示されている。エッツィが敵の矢によって殺される前後を再現したムービーなど、とてもわかりやすく面白い。温度管理され横たわっているエッツィの姿もガラスの窓から見ることができる。エッツィの他にはこの地域で出土した先史時代やローマ時代の遺物。原始機も再現されており織物が好きな私にはたいへん興味深かった。ここは必見!

PARKHOTEL LAURINでアペリティーヴォにビールを。お昼はHotel Greif一階のバールで。日替わりパスタ、バジリコペーストのオレキエッティとスペックとチーズが挟まったWalther Toast、プロセッコ・白ワインをそれぞれグラスで、最後にカッフェ。どちらもなかなか美味しかった。やるなぁ、ボルツァーノ。

食後は公園になっているアディジェ川沿いを歩く。気持ちのいいスペース。お城を目指すが途中ふと葡萄畑に目をやると、人が歩いているのが見えた。気になって向かうと葡萄畑をぬうように通路(via Sant'Osvaldo)が。さっそく歩き出す。ジグザクと登っていくとあっと言う間にかなり高いところまで。水を買い忘れたことに気付く。上まで行けばバールぐらいはあるだろうと、歩く歩く。遠くに見えていた山並みがかなり近づく。すると突然ホテルが現れた。しかも四つ星の立派なホテル。景色を眺めながらビールを。う〜ん、幸せだ。このパッセジャータは最高。

夜はふたたびHopfen & Co。食事なので今度は上に通された。Hopfen風パスタ、コンソメに入ったカナデルリ、ソーセージのグリル、地元品種、ラグラインともうひとつはスキアーヴァだったか、をグラスで。この町は朝から夜まで通して営業しているお店が多く、とても便利。同じお店でカッフェ、ビールやワインを一杯、軽食、ちゃんとした食事と使える。

Photo:左 博物館の案内板/右 偶然行き着いたホテルからの眺め

I piatti di oggi


2008年9月29日(月・lunedi)快晴 ■ロープウェー■

Piazza delle Erbeのお菓子屋さんで朝食。ビスケットとパイ、そしてカッフェ。とても美味しい。

甘いものでエネルギーを充填し、向かうは三つあるロープウェーのひとつFunivia del Renon。しかし大規模な改修工事中の様子。念のため近くにいたおじさんに尋ねたら、近くにあるもう一つも眺めがいいと教えてもらう。しかも自分のカロッツェリアと方向が同じだから案内してくれると言う。とても親切でやさしいおじさんでした。感謝!

教えてもらったFunivia del Colleで1181mへ。大パノラマの絶景!!このロープウェー、世界最古とのこと。今年(2008年)でちょうど100年目。上ると最初のゴンドラも見られる。なお、ボルツァーノにはもうひとつ、Funivia di San Genesioがあり、合計三つ。住所や時刻表はCitta' di Bolzanoで。トレッキングもどきを楽しんで下界へ。そして「白馬」ふたたび。Cavallino Biancoでランチ。農家風パスタ、舌平目のフライ・サラダ付、白ワイン1/2、ミネラルウォター、カッフェで€23.90。量が半端じゃなくて多いのになぜか食べられる。そしてやはり安い!

家人の風邪がいよいよ私に!?咽がいがいがになってきた。薬局で咽飴を買う。カウンターの後に陶器の薬瓶がずらっと並びとても風情がある。すすめてくれた咽飴で調子がだいぶよくなったので、ハーブティーやスペックなどショッピング。お昼が遅かったので夜はなし。今日も満足の内に就寝。

明日はメラーノへ!

Photo:左 Funivia del Colleのゴンドラから/右 ロープウェーであがったヴィッラの丘 Colle di Villa

I piatti di oggi


2008年9月30日(火・martedi)くもり ■思い掛けない出会い!■

テルメで有名なMeranoへ。今日は銘柄指定、作り手にこだわってワインを飲みたいと出発。ガンベロロッソのメラーノのページ、記載されている三件の店名と住所だけメモして列車に乗る。40分ほどでメラーノ着。ひゃ〜、すごい人!観光客でごった返している。保養地とは聞いていたけれど、人口三万五千弱の町、もっと静かな田舎町を想像していたので驚いた。

ともかくお昼。メモした三軒の一番先に見つかったリストランテに入る。迎えてくれた女性が東洋系。もしかして日本人?席に着いてメニューを見ながらツレアイと話していたら、「こんにちは」と快活な日本語が聞こえてきた。顔を上げると日本の男性。あらまぁ、こちらには日本の方がいらっしゃるのですね、と声をかけたら「日本人しかいないんです」と彼。なぬっ?それはどう言うこと!?選択を間違ったかとどきどき。正しくはシェフ以外は日本人とのこと。ふむふむ、少なくともシェフはイタリアーノなんだね。ともかくそれはまたどうしてとお聞きすると、なんでもシェフがこのお店をオープンする前に働いてお店でたまたま日本人と一緒に仕事をしていて、いたく日本人が気に入り、このお店を開くときに日本人スタッフを募集した、ということらしい。ふむふむ。日本人は勤勉だからねぇ(やはりこの美徳は失ってはいけないですね!)ともかく今日の目的にぴったりのお店に入ったということです。だってこの男性、ソムリエなんですもの。この後は日本語で何のストレスもなく美味しいワインを堪能。あれこれグラスで出してくださるのが嬉しい。リースリングに始まり、ケルナー、ピノノワール(ピノネッロ)、メルロー。どうやら同じ舌を持っているようで勧めてくださるワインがどれもたいへん好み。その上カンティーナの説明もしてくださる。これは大きな喜びです!だって日本語ですよぉ。集中しなくても100%理解できるもの(笑)ナポレターノのシェフ(元プロのカンタンテですって)が作るお料理もそれはそれは美味しく、しかも量を調整してもらったので、残すことなくもう少し食べたいね、という絶妙のボリューム。あぁ、神様。素敵なお導きをありがとうございました!チーズまでしっかり辿り着き大満足。名刺を交換し、近くのエノテカを教えてもらい、お店を後にする。

お店で飲んだメルローを作っているカンティーナと教えてもらったエノテカに立ち寄り、ボルツァーノへ戻る。結局お昼だけを食べに行ったようなメラーノ行き。でもこれも旅だ。

夜はNadamasでグラスワインを何杯か。おまけの突き出しをお供に。

明日はジェノヴァへ。10年ぶりの再訪です。そして同じく休暇でイタリアに来ているお友達とランデブー!+つづく

Photo:左 メラーノの町/右 移動フランクフルト・ソーセージ(wurstel)屋

I piatti di oggi