2003年イタリアの旅は、シチリアとカラブリア。シチリアへ渡るのは二度目だがほとんどが初めての街ばかり。西の果てトラーパニでは魚介のクスクスを思う存分味わった。他にもマグロのカラスミ、シラスのフリット、生ガキ、ウニのパスタなど。日本人にも馴染み深い食材が多い。その中でもクスクスは忘れられない。魚介が好きで湿った料理が好きな(と私は思う)我々日本人にはこたえられない。強い陽射しと乾いた空気がアフリカを感じさせるトラーパニ、と同時になぜかとても居心地が良いのは食材のお陰だろうか。カラブリアでは素材の持ち味を活かしたこれがまさにスローフードと言う料理に出会った。コセンツァという山間の街。自分の足で歩き自分の舌で味わう。そこにはガイドブックにない素敵な出会いが必ずある。人間の営みの基本の一つである「食べること」。それを通じて人間模様も見えてくる。驚きと感動、そして歓びの源は食にこそあるのだ!(旅のコラムはこちらで)