肌寒い。町行く人々はダウンを着ている人も。Sulmonaにはコンフェッティ Confetti*を作る老舗のお店、ペリーノ社(Pelino/1783年創業)があり本社は博物館(Museo Confetti Pelino)にもなっているという情報を得た。朝からこちらへ向かう。宿からは徒歩15分程度。昔のお道具や歴史を興味深く拝見。ガラス越しに現在の製造場所も見られるようになっているのですが、あまり変わっていない! 見終わってショップでお買い物。あれこれ試食をさせてもらい(いつもイタリアの試食には感心する)柔らかめのタイプを詰め合わせてもらう。お昼は楽しみにしていたRistorante Gino。こちらへは京都からメールで予約を入れておいた。旅のルートをあれこれ楽しく悩み、紆余曲折あってアブルッツォのメインはスルモーナ Sulmonaになった。場所が決まってから、さぁ美味しいものは、と調べていて「イタリア好き」という冊子のHPに行き当たった。この冊子は購読している。急いで本棚から2012年のアブルッツォ州特集を引っ張り出す。最近の旅行記(Ginoさんがとても美味しかったという)もインターネットで見つけ、よしっまずはこちらと勇んで予約をした次第。リストランテの営業はランチのみで、お店の上が宿泊施設(Locanda )になっている。“gino Bed & Rstaurant”という表記がかわいい。食材店も経営しているとか。事前学習の結果、これは外せないと前菜に「仔羊の内臓料理」と「赤ニンニクの芽の酢漬け」仔羊の内臓はマイエッラ国立公園のものと表示があって、とても新鮮。本当に美味しくて、ゾッレと交互に食べるとエンドレス(笑)その他には、 カッラーティ Carratiと呼ばれる小麦粉と水だけのパスタ野菜系と仔羊のラグーのキタッリーナ、セコンドは仔羊の炭火焼きと「仔羊祭り」となりました(笑)付け合わせは野菜のパン粉焼き。赤ワインはお店で使っているオリーブの生産者のもの。地元の方々は皆さんロゼを召し上がっていらっしゃる。なぜ?と質問。ふむふむ、なるほど。ドルチェ(Panna cotta)もひとついただいてカッフェで締め。いやぁ、美味しかった!!「町一番」頷けます。そうそう、唐辛子が大好きなアブルッツェーゼ、Ginoさんでも出てまいりました。「イタリア好き」の取材ページでは一本丸々に鋏が添えられて、でしたが、本日は細かくカットされたものが小皿で供されました。昔のスタイルが、いいなぁ。
夕方散歩に出て例によって例の如くアペリティーヴォ。NZからのご夫妻と知り合い楽しくお喋り。このお二人はすでに4週間自転車で旅をしているそう。スルモーナも一泊で次の町へ。予定表を見せてもらい大いに驚く。走って走って走って、走る。仕事はリタイアしているので、それなりのお年だと思いますが、凄すぎる。「もう年だから」という日本的フレーズは永久に捨ててしまおうと思った夜。来年は日本を予定しているそうだ。再会できればいいですね、とアドレスを交換して記念撮影。
詳しく表記できるお料理&ワインの覚書@Ristorante Gino:
・Coratella di agnello del Parco della Majella
(interiora fritte in padella con cipolla e vino bianco trebbiano)
・Zolle d’aglio rosso di Sulmona
(germoglio d’aglio cotto con aceto e conservato in olio)
・Chitarrine con ragù di agnello
・Agnello del Parco della Majella alla brace
・Pietrantonj Montepulciano d’Abruzzo DOC Cerano Terre dei Peligni riserva 2021
*Confetti(単数系はconfetto):日本ではフランス語のドラジェ(dragée)の方が馴染みがあるかもしれません。アーモンドにお砂糖が硬くコーティングされていて結婚式で使われる白いお菓子、という程度の知識。しかしペリーノ社を実際に訪れて試食をすると、中がペースト状で柔らかめのものもあり、フレーバーもカラーも色々。今でも結婚式や洗礼式などの行事に使われるものは、昔ながらのタイプで色や配る数など厳格に決まっているようです。この砂糖菓子コンフェッティの歴史は古くローマ帝国時代にはすでにあったとか。現在の形のコンフェッティが生まれたのがこのスルモーナで、ペリーノ社の博物館にはコンフェッティで作られたロザリオや花束で飾られた教会の、セピア色の写真がありました。ちなみに金平糖の語源、ポルトガル語のコンフェイト(confeito)もイタリア語のconfettoに同じ。みんな繋がっているのです。仲良くしましょう。