アンズタケ(2025.08.09 Sat.)

イタリア帰りの友人から先日頂戴した乾燥アンズタケでリゾットを作った。普段は冷蔵庫にないバター(無塩)もある。いつもはオリーブオイルのみだけれど、このキノコはバターとの相性も良さそうなので、仕上げに少し使う。お料理をしている最中からうっとりするような芳香。出来上がりもバツグン。たいへん美味しくいただきました! アンズタケ、学名はCantharellus cibarius、イタリアではgallinacciやfinferli、フランスではgirollと呼ばれている。美味しいものを喜び味わえるのも平和だからこそ。

さて、このアンズタケ。イタリアやフランスでは市場でどっさり売られている。日本にも自生している。調べていて「アンズタケは毒キノコ」という表記を見かけた。“以前は食用とされていたが、極微量ながら毒成分が検出されたので、現在は毒キノコに分類されている、云々” さっそく家にあるキノコ図鑑、5冊で確認。結果は以下の通り。2011年までのものが食用、それ以降は毒あり判定。以前は食用だったものを毒ありとするのであれば、その根拠も詳しく載せてもらいたいものである。毒成分が検出されたのは国外なのか国内なのかも調べた限りでははっきりしない。ちなみに学名の後ろ部分「cibarius」は「食用」という意味のラテン語です(苦笑)

=毒あり判定=
・Gakken 増補改訂 フィールドベスト図鑑 Vol.13 日本の毒きのこ
 *ノルカペラチン酸とアマトキシン類(極微量検出)
(2003年10月4日初版発行 手元のものは2013年10月2日増補改訂版第五刷)
・よくわかるきのこ大図鑑 小宮山勝司著/株式会社永岡書店
(2012年8月10日発行)

=食用判定=
・増補改訂新版 山渓カラー図鑑 日本のきのこ/株式会社山と溪谷社
(2011年12月25日 初版第1刷発行)
・カラー版 きのこ図鑑 本郷次雄監修 幼菌の会編/社団法人家の光教会
(2001年8月1日 第一般発行 手元のものは2006年8月22日第四版)
・京都のキノコ図鑑 吉見昭一・高山栄/京都新聞社
(1986年11月15日 初版発行)

ここまで書いて、もう一つ特筆べきニュースを発見。“『「アンズタケ」学名に』という見出しが、2019年1月10日の信濃毎日新聞の紙面を飾った。”という記述を「きのこびと」というサイトの「きのこ観察記」に見つけた。要約すると“1908年、川村清一氏*によって、日本のアンズタケは欧米の「Cantharellus cibarius」 と同一であるとされた。しかし信州大農学部の山田明義准教授(当時、現在は教授)が国内でアンズタケ300個以上を集め、遺伝子レベルで解析したところ「Cantharellus cibarius」とは別の固有種だったことが判明、和名「アンズタケ」の学名が「Cantharellus cibarius」 から「Cantharellus anzutake」に変わった”ということらしい。毒があるのは「Cantharellus cibarius」なのか「Cantharellus anzutake」なのか。はたまた両方なのか。謎は深まる!!

*川村清一(1881-1946)は『原色日本菌類図鑑』(全8巻、1953-1955)の刊行でも知られる菌類学者