祈りと誓い(2026.03.11 Wed.)

あの日から15年。東京に暮らしていた私でさえ、今なお思い出す度に心と身体が震えるのに、大きな被害にあった地域の方々の思いはいかばかりか。天災に人災が加わり、筆舌に尽くし難い災禍をもたらした。そしてその被害は今も続く。政府は「原子力依存度を可能な限り低減する」という誓いを捨て「原発推進」などと軽々に言う。そんなことは、少なくとも、汚染された土地を元に戻し、避難を余儀なくされている人々の暮らしを元通りにしてから言え。

「原発は生活も文化も歴史も全て破壊する」半世紀前から反原発を訴える放射線防護学者、立命館大学名誉教授の安斎育郎*さんの言葉(京都新聞3月9日より)が胸に刺さる。事故から15年。“世論は漂流し、政治は原発推進へ回帰した。地震列島で再稼働が相次ぐ。むなしくならないか。”という本誌の問いに「力不足は承知の上。それでも、不条理にあらがう勇気を持ち続けねば」と安斎先生。こう言う声が胸に届かない人には、政を任せられない。

今日は祈りと誓いの日。防衛より防災。武器より文化。

*1940年東京都生まれ。京都新聞の記事(3月9日)によると“原発推進の人材を輩出する東京大工学部原子力工学科の1期生。だた安全性に疑念がわく。1972年、日本学術会議の集会で批判を展開。翌年、福島第2原発の建設に反対する住民運動に伴走し始めた”そうだ。