この秋の庭(2024.10.27 Sun.)

ロングランが続いた夏のせいか、庭の草花も迷い惑っているようだ。ヤマホトトギスは一部「いもちゃん」(ルリタテハの幼虫)の食堂となってしまったこともあり、花が少ないと思っていましたが、ここに来て盛り返し、元々植えた北側と移植した南側でずいぶんと目を楽しませてくれている。北と南で微妙に色味が違うのもいい。毎年小鳥ちゃんに啄まれてしまうコムラサキシキブは今年も例外ではなく。一つ残らず食べられてしまう(涙)7月に旅に出るときは幾つも実がなっていた柿は、戻ってきたらイラガの攻撃を受けていて、ひとつも見当たらず。これまた涙。キンモクセイは10月中頃からふわっと香り出した。樹木は夏に暑さに加え雨が少なかったことが影響したのか、枯れてしまったものも。北側の柘植が気がついたら枯れていて驚いた。ミカエリソウは「オンブバッタ」に随分と気に入られてしまい、葉がぼろぼろに。花は咲いたものの、見るも無惨な姿になってしまった。来年は何か抜本的な対策を取らなくては。ヒノミサキギクは自らの意思で最初に植えられたところから匍匐前進を繰り返している。ひょひょろと伸びて地を這うような姿は少々しどけない。こちらも対策を考えなくては。

ヤマホトトギスとミズヒキを少し庭からいただいた。お花はいい。ちょっとあるだけで、心が和む。

「響きあう彩り」(2024.10.25 Fri.)

@展示会ー手仕事の奥を垣間見るーと題された展示会@帯屋捨松さんへ。染織陣内さんと帯屋捨松さんの「手仕事」、道具や下準備、手間ひま惜しまずに作っていく過程やこだわりを拝見。特別な手を持つ方々を心から尊敬する。好きなことに没頭できる才能を眩しく思う。自分はそんな手を持っていないのでひたすら「見る」ことでそういう方々のお仕事に報いたい。もちろん余裕があるときは、その手で作り出されたものを身に付けたいと思う。

今回は「カード織り」という世界も知ることができました。必要なモノは、カードと糸だけ。こちらに歴史など詳しいことが書かれています。なんて素敵な世界!

97歳の友に会いに(2024.10.23 Wed.)

東京へ赴く。お一人で元気にお暮らしだったTさん。この春に美味しいイチゴをお届けいただいた際にご住所が今までと違っていた。年末に体調を崩し、それを機にケア付きの施設に入居されたそうだ。暑さがひと段落したらご新居に会いに伺おうと心に決めた。なかなか暑さが収まらず気がついたら10月の声。ちょうど見たいと思っていた展覧会「没後300年記念 英一蝶 ―風流才子、浮き世を写す―」(@サントリー美術館)も開催されている。一挙両得。一度の東京行きで友にも会い、展覧会へもというプラン。お会いする日の前日に東京入り。別の友人と銀座でランチ。Tさんも大好きな最中をいただいた。それも携えてTさんを訪う。お元気な様子に安堵し、大いに勇気をいただいて施設を後にする。

今回のお宿は6月に参加した「白隠フォーラム 英一蝶と白隠」(花園大学国際禅学研究所主催)の折に利用した清澄白河のホテル。調べてみたら自然派ワインを飲ませてくれるお店も多い。しかしほとんどのお店が月火定休。次は月火をさけて予定を組もう。唯一営業していたお店でさくさくっと白、白、赤を楽しんだ。スタッフの方との会話も楽しく、よい時間を過ごす。次もまたこの町に宿泊決定(笑)

水無瀬神宮献茶式(2024.10.14 Mon.)

今年は祝日となった水無瀬神宮献茶式。同門の友人に声をかけ、連れ立って伺う。今月はお献茶式三昧。まず、燈心会の副席に入らせていただく。次いで拝服席(不審菴)。通常であれば式後に入るお席ですが、式前から入れるようになっており、流れのままに(笑)その席で水無瀬神宮のお献茶は他所ではあまり見られなくなった献香もあるので注目です、とお話があった。そういえばこちらの他ではあまり拝見しない。注目しましょう。それから今年からそば席のお店も変わったとのこと。お献茶まで時間があったので先にそのそば席へ。なるほど、これまでと違って“つゆだく”のお蕎麦に。そしてお献茶式。ご奉仕は左海大宗匠。お手前がよく見えるお席に座らせていただき、献香にもこれまで以上に心を寄せた。終わって妙喜庵へ。前回まで境内でのお席だった半床庵の副席が変更に。妙喜庵にお席がかかるということで随分と人気のようでしたが、50年前まではこちらにお席がかかっていて元の形に戻った、というご説明。少し残念だったのは、お床の掛物など拝見する時間がなかったこと。でも同門の友人と美味しいお茶とお菓子を共にいただき、よい時間を過ごしました。いつもは一人参加で終わるとそそくさと帰洛しておりましたが、今年はせっかくだからと終わってから大山崎山荘美術館へ。開催中の「丸沼芸術の森所蔵 アンドリュー・ワイエス展 ―追憶のオルソン・ハウス」へ。喫茶室でビールも楽しみ(下戸の友人はノンアルドリンク・笑)大満足で大山崎を後に。お天気にも恵まれ、よい秋の一日に。Yさんから譲り受けた袋帯、デビュー!

吉田神社献茶祭(2024.10.08 Tue.)


吉田山の萩、今が盛りと美しく

本日はご近所吉田神社の献茶祭。隔年で表千家のご奉仕。本日は猶有斎宗匠。心配な空模様でしたがなんとか曇天でふんばるお天気。そしてサプライズがひとつ。彬子女王殿下のご臨席。この時期は日本を離れているのが恒例だったので、すぐ近くのことなのに初めて伺ったのは一昨年(2022年)。お献茶のご奉仕をぐるりと囲んでのお席の設えも見やすく、さほど混み合う訳でもないのんびりとした「左京区的」な雰囲気もよく、また予定が合えばぜひにと考えていた。なんたってご近所ですし(笑)聖護院八ツ橋・鈴鹿氏のお席に入らせていただいて、お献茶の儀、終わって拝服席、その後に半床庵の立礼席、そしてお弁当(三友居ご製)を引き換えてさくっと終了。あちらこちらに秋。

鈴鹿さんのお席の掛け物は「大嘗祭抜穂儀図(だいじょうさいぬいほのぎのず)」(江戸時代 鈴鹿家蔵)。これは新嘗祭に供する初穂を摘む「抜穂の儀」の次第を示す図案とのこと。日本六十余国のうち二カ国が代表的に選ばれ、それぞれの国の神田において収穫された初穂が神にお供えされる。その祭祀に先立ち使者が神田に遣わされて穂摘みの儀式が行われるのであり、これを「初穂の儀」といったそうだ。図面上方には神殿が広がり、図面下方には設備の配置と初穂を摘む使者の道筋が朱線で示されている。図面左方に記されている八神殿代(はっしんでんだい)は、平安時代に神祇官という官庁に所在し、のちに吉田神社に遷された八神殿のことで、「初穂の儀」を行う際には神田の傍らに臨時の代理施設が設けられた、とのこと。(以上、猪熊兼樹誌参照抜粋)非常に興味深く拝見しました。