GenovaからNeiveへ(2024.07.18 Thu.)

ジェノヴァからアスティまで列車に乗り、そこから先はバスに乗り換えてNeiveまで。なんと列車が途中で止まってしまった。乗務員が慌ただしく後方へ向かっていく。何かあったのだろうか。なんだかきな臭い。と思っていたら乗務員がやってきて窓を閉め始めた。えっ、車両火災!? と驚くが、他の乗客の皆さんは涼しい顔。地元の方の他に私たち以外の観光客も乗っていたけれど、皆さん慌てる様子もない。しばらくして列車は動き出した。ほっ。しかしその分遅れたので、予定していたバスには乗り換えられなかった。念の為とタクシーの運賃を伺う。パス(笑)バス停で時間を調べていたら青色FSのバスが来た。先ほどのタクシーが通りかかり「それそれ、それだよっ」と私たちを促す。いやこんなに早く次は来ないはず。訝しく思いながらバスの運転手さんにお尋ね。やっぱり違ってました。イタリア、変わってないね(笑)バス乗り場近くのバールでビールを飲みながら次発を待つ。小一時間待って無事に乗車。しかし、一つ前のバス停で誤って降りてしまい*、荷を引きながら坂道を倍の時間歩くことに。しかもめっちゃ暑い(涙)ようやく宿泊場所に到着。宿の一階がエノテカ&バールになっていて、今日は宿主のベネデッタさんは不在だけれど、ここのスタッフに諸々申し渡してあるからと事前に親切なご連絡をいただいていた。その通り問題なくチェックイン。安堵安堵。宿は築300年程度のパラッツォを改装したもの。とても素敵。小さな村でのんびりよい滞在になりそうです。

荷解きをして一息ついたらさっそく一階で、飲む。泡と白、バルバレスコの熟成と若いものの飲み比べ。Antipasto Piemonteseというカポナータに似た野菜の煮込みが美味しい!! ワインを頼むとついてくるクラッカーとノチョーラも、気が利いている。

夜は、教えてもらった“Uomo”へ。予約をしていなかったけれど、なんとかテーブルに。人気店。炭火焼きのグラスフェッドビーフが評判のよう。しかし残念、パスタしか食べられず。ワインは一本。今宵はBARBERAな気分。お勧めをお聞きして選ぶ。ワインは、まず残すことはない。足りないことはあっても(笑)さすがワインの聖地、ピエモンテ。小さな村ですが、ワインは大いに愉しめそうである。

*今回の宿、Al Palazzo Rosso Boutique Hotel Neiveの最寄りバス停はNeive Rondo。そのため鉄道駅の最寄り駅AlbaからでなくAstiからバスに乗った(Astiからのバスはここに停まらない)。にもかかわらず間違って一つ手前のNeive bassoで降りてしまうという失態(涙)

Genova 4日目(2024.07.17 Wed.)

“ジェノヴァの風景は変わらないけれど、わたしは…”

これまでに歩いたことのない地域を積極的に適当に(笑)前回は陣内秀信先生の「イタリア海洋都市の精神」(講談社)を頼りに歩いた。今回は久しぶりのイタリアということもあり、リハビリを兼ねつつのんびり確たる目的を持たず、野生の勘で(笑)

二日目(15日)にはルネサンス時代のパラッツォが並ぶVia GALIBALDI*を歩き、小高い公園を目指した。あれ? ここ来たことあるよね、と顔を見合わす。エドアルド・キオッソーネ東洋美術館 Museo d’Arte Orientale Edoardo Chiossoneだった。16年も前のぼんやりした記憶が突如鮮明に顔を出したり、今日は今日とて、これまで見たことのなかった遺跡が突然現れたり、ふと立ち寄った教会のオルガン**に目を見張ったり、と無計画ならではの楽しい街歩き。Mercato Orientaleのフードコートでお昼ご飯。2階にはリストランテが並ぶが、各国料理が並ぶ一階で気軽に。「鶏肉のレモン風味+ライス」に生ビール。この一皿がたいへん美味。素朴なお料理の方がやっぱり合っているようです(笑)夜は魚介を求めて港方面のお店、Da Leccarsi i BAffiへ。ここで“つきだし”として出された「Panisa Ligure」が大いに気に入る。セコンドのフリット、本日のお勧めの看板から「Fritto misto all’italiana」頼んだら、途中私たちの食べ具合を見たお店の方が、すごく多いわよ。少なくしますか?と声をかけてくださった。お言葉通りにそうさせてもらう。それでも食べきれなかった。フリットは大好きで、いつもだったらぱくぱく食べられるはずなのに、なぜだろう。美味しくないわけじゃないのだ。以前よりフリットが重たい? ワインは自然派の白(ピガート)。ミネラル感あり大好きなテイスト。お店の雰囲気も人々もとてもいいお店でした。

*Via GALIBALDIは元々はStrada Nuovaと言った。前述の「イタリア海洋都市の精神」には“ジェノヴァの中世海洋都市国家は、港のまわりのごくゆるやかな斜面地に高い密度で造られていたが、16世紀半ばに、この町の貴族・上流階級の人々の欲求を満たすべく、その外側に広がる高台の田園を開発して、ストラーダ・ヌオーヴァ(現ガリバルディ通り)と呼ばれるまっすぐな街路を通し、それに沿ってルネサンスの新しい高級住宅地を建設した。”とある(“”部分引用)この新天地にルネサンスとバロックにかけて造られた数本の街路と、その通り沿いに並ぶ「ロッリ」と呼ばれるリストに登録された当時の貴族たちのパラッツォ郡が2006年7月に世界遺産に登録されたこと、「ロッリ」と呼ばれるリストは厳選された大邸宅(パラッツォ)が登録されたもの。繁栄を続けたジェノヴァ共和国では、世界から訪れる来賓用迎賓館が必要となり、16世紀後半から17世紀初頭にかけて、新しい街路に沿って建てられた豪華な大邸宅を厳選しリストに登録させ(このリストが「ロッリ」)それらを国家来賓の宿泊先として法で制定した、ということも「イタリア海洋都市の精神」から教わった。

**オランダのイエズス会士ウィレム・ヘルマンス Willem Hermansが1657年から1659年にかけて制作したもので、1853年にカミッロ・グリエルモ・ビアンキ、1905年にリンジャルディ兄弟 fratelli Lingiardiによって修復された。写真に見られるように見事な彫刻が施された木製ケース付き(教会HP参照)
 

Genova 3日目(2024.07.16 Tue.)

Mercato Orientale1

Mercato Orientale2

Cappon Magro

本日のワイン今日はMercato Orientaleへ行き、そのまま、予約したオステリアへ。メルカートは、前回、ポルトフィーノに足を伸ばす折、駅までの道すがらで立ち寄り旅のお供にミカンとネクタリンを買った。本日はくまなく歩き回り、乾燥ポルチーニとシチリアはラグーサ産の乾燥ミニトマト(Bio)を400g買う。つまんでみたらすごく美味しい。自分では思い切ったつもりだったけれど、もっと買えば良かった。美味しいものはいつも同じ後悔です(笑)で、メルカート。真ん中が広いフードコートになっていた。サイトを見てみたら、2019年5月7日に現在の形がオープンしたそうだ。まだお昼の時間には早くバールとエノテカだけが営業。せっかっくなので、エノテカでプロセッコを飲む。それにしてもどこへ行っても市場は楽しい。

さてランチ。日本人シェフのお店OSTERIA SAN PIETROがあると情報を掴み、伺ってみることにした。開店時間の12時15分に予約。ぶらぶらと歩いて行く。かなり暑くなったのが悪かったのか、いじましく飲んだ泡がよくなかったのか、途中具合が悪くなる。せっかく気合いを入れて「今日は食べるぞっ」と予約をしたのに(涙)お店の近くに運良く木陰があり、しばらく休む。「治れ治れ」と祈りながら。この休憩が良かったようで、なんとか回復。サイトでメニューを拝見していて”OKONOMIYAKI”があって驚いた。お店に伺って話をお聞きしたら、シェフも接客をしてくださった方も京都の出身で、シェフのお祖母様が京都でお好み焼きのお店をしていたそう。もうお祖母様はお亡くなりになったそうですが、そのオマージュなんですね。手の込んだお洒落で独創的なお料理。ワインも豊富。万全な体制で臨めなかったのが少々残念。お勧めしてもらったビオの白ワイン、美味しくて印象的なエチケット。Ombrinaというお魚を覚える。

Genova 2日目(2024.07.15 Mon.)

本日のお昼はホテルの方お勧めOsteria le colonneへ。やっぱりジェノヴァに来たらまずはこれでしょうとペストジェノヴェーゼ。ジェノヴェーゼといえばTrofieだと思い込んでいましたが、Mandilliという幅の広いパスタ*。セコンドで頼んだ「Baccala alla Portofino」(タラのポルトフィーノ風)うまし! サービスもよく、メニューも伝統的なものと革新的なもの、グルテンフリーやおつまみもあって、使いやすいお店かと。ただし、本日のグラスワインは…

日陰は涼しいけれどさすがに日向は暑い。建物が高く路地が狭い旧市街を好んで歩く。前に泊まったB&B付近。記憶を頼りに歩いてきっとこの辺りという場所へ。港に出て、水族館(Acquario di Genova)をパチリ。前回はnさんとこの街で落ち合って愉快な時間を過ごした。水族館のイルカショーに怒っていたことなど思い出し、口元が緩む。五年ぶりのイタリア。ここジェノヴァは三度目の訪問。やはりホーム。イタリアの空、イタリアの窓。何をするでもなくぶらぶらと歩き、疲れたらバールでいっぱい。これで心が満ち足りるんだから安いものです。円も安いけど!(笑)以前の日記で「バールが少ない」と書いたけれど、今回はそんな印象はなく。

夜はPorto Anticoにあるイータリーで軽く。グラスでシチリアの泡、カンパーニャの白、フリウリの白シャルドネ&ピノグリにムール貝。あれ!? 二人分?? と思ったムール貝も楽勝で完食。貝には強い私たちである。スタッフのファビオさん。ニッポンの古武術を習っていて、日本にぜひ行きたいそうだ。そして武田信玄と真田幸村のファンとおっしゃって、足のタトゥーを見せてくれた。なんと武田菱がっ!! 一方の鯉は真田幸村繋がりなのか、どうなのか。とにもかくにも意外なご縁があって嬉しくなる。武田信玄の国の生まれとしっかりアピール致しました(笑)

*2008年のパスタの写真でもMandilliでした。記憶は彼方に〜(苦笑)

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2024.08.06追記:2008年に食事をした“Antica Osteria di Vico Palla” 調べたらまだ営業していました。リンクが切れていたのでもうないのかなぁと思ってしまった。URLが変わっていただけだった。相変わらず美味しそう。地団駄!!

夏休み始まり始まり(2024.07.14 Sun.)


“あれ? 間違ってスイスに来ちゃった??”

13日に関空を出て、チャンギ経由でミラノ着。バスに乗り換えぴゅっと懐かしい港町へ移動プラン。マルペンサ空港から直通バスが出ていると掴み、乗り場へ。機内でご一緒だった英語圏のご夫妻も同じ目的地へ行くようです。言葉を交わす。最初は私たちだけでしたが、徐々に人が集まりだした。皆、この停留所でよいのか不安げになぜか私に尋ねてくる。どこへ行っても道を聞かれたりお店の場所を尋ねられたり。地元の人に聞けばいいのにと常々思っていましたが、イタリアの方は知らないこともさも知っているように答える(全員が全員ではないとは思うけれど・笑)なぜ知らないって言わないの!? と昔イタリア語の先生に尋ねたことがある。だってさぁ申し訳ないじゃん、だって。いやいや申し訳なくないから! 知らないことはは知らないって正直に言って〜。これで何度も難儀したことを思い出した。だからみんな外国人の私に聞くんだね。ちゃんと答えるから(大笑)

さて、無事にバス到着。始めて利用する路線だし、5年ぶりのイタリアだし、場合によっては列車移動に変更するかもと思い、サイトで事前購入をしなかった。今はどのバスでもその場でカード購入できるようなので。と思っていたらバスの運転手さん。カードの機会が壊れてるって。しかも小銭がないからお釣りは出せないって。念の為に少しまとまった金額のキャッシュも持ってきてよかった。しかもレシート代わりに写した運転手さんの携帯画面、後からよく見たら乗り場がマルペンサ空港ではなく、始発場所でした。だから当たりをつけていたよりちょっと高かったのかなぁ。まさかわざとじゃないと思うけど… iPhoneで待っている間にさくっとバスのサイトあるいはOmioで買えばよかったかなぁ。久しぶりのイタリア、ちょっと勘も鈍っているようです。気を引き締めよう。とにもかくにもイタリアは、変わっていなかった! ちょっと安堵(笑)

途中謎の渋滞もあったけれど、無事に海辺の街に到着。今回は初心に戻って街中のクラシカルな老舗ホテル。部屋の用意を待ちながらホテル内でランチ。チェックイン後は懐かしい街を歩こう。