TorinoからMilanoへ (2024.07.23 Tue.)

列車でミラノ中央駅。駅近のホテルを予約。最初にイタリアへやってきた頃を思い出させるクラシックなホテル。いい、いい! 旅情が掻き立てられます。Milanoは中継地点という立ち位置のため、観光などは一切なし。お気に入りの駅近のオステリアで夕ご飯を食べるのが唯一のお楽しみ。サイトから予約もして準備万端。昔は中央駅の周りは陰湿なムードが少し漂っていましたが、今は感じられない。ホテル近くでおつかれ生ビール。おつまみのピーナッツ。カンパリソーダの小さな瓶に入っていた。Buona idea! これはお洒落。何てことはない普通のお店なのに、オリーブもおいしい。こういうところがイタリアの魅力。駅のバールで飲むカッフェが美味しいとか、見た目はよくないけど、美味しいお菓子とか。変にきどってこの魅力を失わないで〜と心の中で叫ぶ。イタリアはフランスじゃなくていい(個人的見解です・笑)

夜はお楽しみのお店。このオステリアを知ってからミラノが好きになったほど。生ビールで喉を潤してから一応ロケハン。久しぶりだから。その途中仕立て屋さんの前を通った。ガラス張りの工房で男性が針を動かしていた。素敵な佇まい。私の視線に気づいたその男性が、目をあげて微笑んだ。歳の頃はどうだろう。50代後半ぐらいか。私はその一瞬恋に落ちましたよ(笑)それくらい映画の中のワンシーンのように素敵な風情だったのです。さて、現実に戻ろう。夜のお店をしっかりロケハンして、ホテルに戻る。

そのお気に入りのオステリアは、変わることなく美味しくていい雰囲気で、最後のイタリアを楽しく締めてくれた。「お父さん」も満足げです。変わらない良さ。挑戦も長く培って来た土台の上だからこそ。新解釈は伝統があってこそ。変えてはいけないもの、ということは厳然として存在する。そんなことを度々感じた5年ぶりのイタリアだった。

Torino 2日目 (2024.07.22 Mon.)

さて、真夏に旅をすることになった深い訳とは(笑)今年はまったくもって不足していたイタリアへがっつり行こうと思っていた。そんな中、パリオリンピックのニュース。なでしこが昨秋滞在したナントで、予選リーグ2試合を戦うとの情報。さらに男子もオリンピック出場を決め、ナントで同じく予選リーグを1試合戦うことに。これは行かない訳にはまいらぬ、と半々の旅で真夏になった次第である。そのためあまりフランスから離れる訳には行かぬ。地図を見ながらあーだこーだと悩み、最後に、ミラノに入りジェノバ→ネイヴェ→トリノ、そしてミラノから飛行機でぴゅっとナントへ飛ぶ。そして帰りはまたナントからミラノへ戻り、帰国の途につく、という旅程で固まった。ミラノからナントまではLCCのeasyJetが直行便を飛ばしている。

そして今、トリノまでやってきて、私たちのイタリアは終盤を迎えているという訳である。昨日の「奇跡の物語」とは、ランチを取ったパスタ屋さん、後から昔のコラムを読んでいて、15年前にそのお店を自分で発見していて、でもお昼ご飯を食べた直後だったので泣く泣くパスタだけを購入したお店だった。それから15年後に、宿泊先のホテルスタッフがリストアップしてくれた数件の中から、最初に見つけることができたお店に入り、とても美味しいパスタに感動し大いに満足。図らずも知らず知らず15年前のリベンジをしていた、ということなのである。気づけよ!と自分にツッコミを入れたくもなりますが、なんたって15年も前のこと。昨日のことだってすでにあやふやな年頃に突入しているのに、思い出せる訳がない(笑)

こんな素敵な偶然があって、俄然トリノが好きになる。今日はバールのはしご。ビチェリンも再び。なんだか変わった? 昔のまんまだね、と感想色々。夜のお店を予約して、ホテルに戻り最上階テラスでランチ。軽くと思い頼んだインサラータのボリュームが! やぎが頼んだバーガーのパテうまし。蒸し野菜の付け合わせがたっぷりついていたので、このお皿だけでよかった。しばらくぶりということもあり、ボリュームの最適解を未だ見つけられません。夕方、思い立ってメルカートへ。すでに市場が閉まっている時間にもかかわらず。中途半端な時間なのでフードコートも閑散。最近はメルカート+フードコートが標準なのかしら。ここでもいじましく泡を飲む(ジェノヴァでちょっと痛い目に合ったというのに)

Taverna delle Rose、ホテルスタッフのお薦めリストから。人気店。お昼に予約をしてよかった。タベルナというだけあって昔ながらのとてもいい雰囲気。隣のテーブルでは地元の男性四人が賑やかに。ここなら色々食べられそう! しかし、私のお腹はそれ程空いていなかった。軽くのつもりだったランチに、野菜だからといって、大きな気になりすぎた(涙)という訳でやぎはプリモからリゾット、私はセコンドからトリッパを。トリッパに大きな皮付きャガイモがまるまる添えてあった。崩しながら一緒に食べる。おいしい! ワインはアオスタのLES CRÊTES Petite Arvine、とてもいいワインです。日本ではテラヴェールさんが輸入。トリノは2泊と短い。明日はミラノへ移動。トリノからマルペンサまでその日の内に余裕で移動可能。しかし万が一を考えてミラノ中央駅近くのホテルに一泊。用心深くなったものです(笑)

NeiveからTorinoへ (2024.07.21 Sun.)

“ネイヴェはロマーノ・レヴィ、縁の地”

今日はAlbaまでタクシーを使い、そこから列車に乗る算段。昨日ベネデッタさんがドライバーに電話をかけ金額を確認して予約をしてくださった。最初は€30の提示。Va bene? (30なら良いかな)OKと答えたところで、ちょっと待って€40だって、どうする? とベネデッタさん。一瞬交渉をするべきかとも思ったけれど、5年ぶりのリハビリの旅。言い値で承諾。最後の朝ごはんをゆっくりいただいて(このお宿の朝ごはんは最高です)ゆるゆるとパッキングをして、市税を払いに降りていく。今朝、ドライバーに確認の連絡もしてくださったよう。細かな配慮をしてくださる素敵なオーナー。またいつか再訪したい。宿は広場の真ん中にあって、斜め前にはハム類からお惣菜、お菓子まで揃うお店があり、ちょっと右手に歩くと美味しいジェラート屋さんもある。規模の割にリストランテも多く、飲む場所にも事欠かない。今度はいつものように秋がいい。今回このようなミッドサマーに旅することになったのには深い訳がある。それは追って(笑)

アルバの駅前が工事中で進入できないからと一つ先の駅 Mussottoまで。切符は車内で買えるようになっていた。カード利用可。停車する駅のアナウンスもあり(伊語および英語)、列車もきれい。昔とは違うのだ。無事にPorta Susa着。メトロに乗り換えPorta Nuovaへ。駅近のホテル。チェックインには早かったので、荷物を預けて、フロントスタッフお勧めのパスタ屋さんでランチを取ることにする。この女性、9月に京都に来るそうです。2度目の日本。初回は東京周辺だけだったとか。「non vedo l’ora!」とたいへん楽しみにしている様子。さてランチ。大賑わい。無事にテーブルにつけてよかった。TAJARIN AGLIO, OLIO E PEPERONCINO CON TARTARE DI GAMBERI E ZEST DI LIME、これが絶品!! CALAMARATA IN “PESCHERIA”もなかなか。量が結構多かったのにも関わらず、ペロリと完食。インサラータとグラスワインもいただいて、大満足。このお店に辿り着いたのは「奇跡の物語」でした。これも追って(笑)

戻ってチエックイン。ちょっと奮発した甲斐があり、お部屋も快適。屋上テラスからは山々も望むことができる。Torinoは落ち着いた都会。来るまではそれほど胸が高鳴らないけれど、来て街を歩くといいところだなぁとしみじみ思う。不思議な街です。

Neive 3日目 (2024.07.20 Sat.)

夜半にすごい雷雨があったようだ。私は夢の国(笑)そのおかげか湿度が低くなり少し涼しくなった。勇気を得てBarbarescoまで歩く。Baroloへは足を運んだことがある。次の機会(2004年秋)に今回はバルバレスコ村へと思ったけれど早朝にバスが一本あっただけで行かれなかった。20年越し今度こそ!である。濡れ手拭いを首にまき、いざ出発。途中野生の勘で葡萄畑を突っ切る。見事ショートカットに成功。バルバレスコ村では結婚式に遭遇。Nシェフに教えてもらったトラットリアへ。しかしこの結婚式の披露宴が行われるため貸切。残念! でも幸せを分けていただいたのでよしとする。Nシェフからは日本人が経営しているワインバーもあると教えてもらった。そちらで泡、白を楽しんで、バルバレスコ村を後に。ご店主は不在だったが、日本女性スタッフと楽しくおしゃべり。広場に掲げられていた横断幕で、ツール・ド・フランス(le Tour de France )2024がイタリアで開催されていたことを知る。パリオリンピックの影響とか?(後で調べたら周期的にフランス国外を大会のスタート地点に設定してきたそうだ。なんでも主催者側に“したたかな”戦略があるそうです。by ダイヤモンドオンライン。その戦略については有料記事のため未読で分からず・苦笑)

夜は、宿の一階でアペリティーヴォをしてから、ベネデッタさんに教えていただいたRistrante Cantina del Rondoで。私たちが降車すべきだった停留所の近く。お聞きしていた通り、シンプルなお料理で重くなくすべて完食。

小さな可愛い村とも今日でお別れ。明日はアルバ経由でトリノへ。

Neive 2日目 (2024.07.19 Fri.)

毎日晴れて暑い。晴れは有難いし、ニッポンはもっと暑いはず、と奮い立ち、葡萄畑を両脇に見ながら、少し歩いてみた。日陰がない。降参。村外れの墓地まで来てすごすごと引き返す。戻って(宿の一階とは別の)エノテカ&バールで一休み。この界隈でこんなにたくさんシャンパーニュ方式の泡が作られているなんて! アペリティーヴォと聞かれて、はいと頷くと無料おつまみが出てきた。コップにグリッシーニ、プレートにトマトのブルスケッタ、サラミ、チーズ。これだけでランチになってしまいそう(笑)宿に戻って一階で、またも飲む。あちこちでグラスでちょこちょこ地元のワインを飲めるのが楽しい。すっかり気に入ったAntipasto Piemontese(Giardiniera)をオーダー。今回もごきげんに、それぞれ泡と白。こちらのスタッフはワインに精通していて感じも良く花丸。そうそう、昨日リストランテをお尋ねしたとき、1番のお勧めは今日お休みだから、とおっしゃっていた。今宵はそこへ行ってみよう。名前を再度お聞きしたら「予約してきますよ」とぴゅっと青年。飲んでいたらもう一人の女性スタップに予約が取れたと連絡が。ありがとう!! 毎日こう暑いと私たちの大好きな「遠足」も叶わず、小さな村なので、すでに歩き回ってしまったし、飲んで食べる、しかないのでありますよ(笑)

さて今宵のお店La Romatario、青年の顔を潰してはと、一枚だけ持参した腕を出すドレスを着用。欧州は夜は肌を露出するのがマナー。他の女性たちもほとんど腕を出したロングドレス。着替えてよかった。男性はさほどドレスアップしていないけれど。食事を初めてほどなくしたら、予約を取ってくれた青年がやってきた。私たちのテーブルをチェック。ワインをチェック。うんうん、いいワイン飲んでるね、と満足げ。どうやら彼もこちらでお食事のようです。一緒のご夫妻はご両親様からしら。お父様と思われる男性が瓜二つ。後でお聞きしたらピンポン、でした。夏はテラスで、がこちらの流儀(私たちは中に座りたがりますが・笑)。そしてこのお店はこの期間テラスのみの営業のよう。雰囲気は良いのですが、蚊にはまいった!虫除けスプレーで対抗するもとき遅し。しっかり刺される(涙)今夜はセコンドのうさぎちゃんまでいただいて、さらにドルチェ、グラッパまで。段々と調子が出てきたようです(嬉)青年のイチオシだけあって、村いちばんという立ち位置の、それでいてフレンドリーなとてもよいお店でした。