千家十職展(2021.08.01 Sun.)

写真は展覧会に関係ありません(笑)

表千家北山会館で開催中の特別展へ。猶有斎宗匠の御婚礼の節に整えられた「茶箱一式」に目が釘付け。代々受け継がれてきた表千家の茶湯、お稽古場で習う茶湯と自分が常の事として実践し得るもの、を考えつつ、家の仕事を受け継いで行くということ、などに思いを馳せながら拝見する。ご近所の古田織部美術館へも。北山会館のすぐ近くなのに、なぜかこれまで機会を逸していた。小さな小さな美術館ですが、展示品はすごい。昨日や今日、学び始めた訳ではないのに、未だ消息をちゃんと読めない。限られた時間の中で、ある程度文書を読めるようになりたいが、道険し(涙)「山上宗二記」の自筆を初めて見ることができた。几帳面な人柄が窺える。

移動した縄手通りで「八朔」の挨拶回りの舞妓ちゃんたちに遭遇。去年は中止だったものが2年振りに開催されたと帰宅してからのニュースで知る。私たちも夏着物。風もあり、想像よりは随分と凌ぎやすかった。

オーストラリア産トリュフに初めてお目文字した日にもなりました。

お雛様を愛でながら(2021.02.22 Mon.)

雨水の日に飾られたご近所さんのお雛様を見に行く。何度拝見してもため息が出る。とても素敵なお雛様。同行のHさんが季節のお菓子を用意してくれた。デパートのお楽しみ、あれこれ違うお店のものを取り揃えて。わたしは、東京の友人にもらった銀座萬年堂本店さんの愛らしい雛あられを持参する。お雛様を愛でつつお薄一服。お菓子を口にするときとお薄をいただくときだけマスクを外して、というルールも板についてきたけれど、そろそろ卒業したいものです。

〈上生菓子〉写真上、手前中央から時計回りに
 ・右近左近 亀屋良長製
 ・梅ごよみ 二條若狭屋製
 ・春の野  二條若狭屋製  
 ・ひちぎり 千本玉寿軒製 
 
〈干菓子〉写真下
 ・雛あられ 銀座萬年堂本店製

お茶の時間(2021.01.24 Sun.)

調達&撮影Hさん

関東から届いた寒中見舞い。同門の方。工夫してお茶を続けていらっしゃるとのこと。「あれもない、これもない、だから出来ないと言うことではありませんよ。」先生の言葉も思い出し、よしっと父から譲り受けた風炉釜を据え、運びの点前。畳の部屋はあるけれど炉は切られていない。なので通年風炉となる。昨年頂戴した茶盌は初使い。私には過ぎたるもので大いに恐縮したけれど、お道具に近づけるよう使いつつ精進することが御供養になると思い、覚悟を決めていただいた。気心知れた友人二人とマスクをかけてのお茶の時間。不自由はありつつもやはり愉しい時間である。

●掛物  白沙村荘干支色紙 天神図
●釜 丸釜 敬典造
●風炉 唐銅鬼面風炉 秀峰造
●風炉先 唐松裂
●茶入 伊賀肩付
●仕覆 日野間道(?)
●薄茶器 手塚俊明作
●茶杓 普段使い
●水指 染付鳥獣山水八角 坪島土平作
●建水 モール袋形 銅鎚目
茶盌 灰釉 坪島土平作
・替 青磁 四代諏訪蘇山作
・替 越前焼 竹本郁雄作
・替 陰刻ルリ盌 高仲健一作
●濃茶 猶有斎宗匠御好 楽寿の昔 柳桜園詰
●薄茶 都跡の白 加茂自然農園詰
●主菓子 雪餅 千本玉壽軒製
●器 手ぐり銘々皿銀彩/鎌倉彫 矢沢光広作
●干菓子 Boîte Pralinés Chocolatier Julien Dechenaud製
●器 むさしの銘々皿 坪島土平作

竹台子一つ飾り(2020.09.01 Tue.)

棚物の起源、根本は真台子である。大応国師(南浦紹明)が文永年間に、中国より真台子を持ち帰ったのが始まりであると伝わる。この大応国師将来の真台子は、後に京都の紫野大徳寺に伝来。花園の妙心寺にも伝来したとも。その真台子に基を発し、珠光好みと伝わるのが竹台子である。「竹台子一つ飾り」は地板中央に風炉一つだけを飾る。天板には客付三分の一の場所へ茶器を飾る。要するに風炉の中置である。細水差しを用いる。この「竹台子一つ飾り」は如心斎に始まった。ゆえにお家元では天然忌(如心斎の忌日)に竹台子に鳳凰風炉の一つ飾りが恒例。〈以上「即中茶記」(河原出版)参照〉

桐生地で竹の柱。炉、風炉兼用。一説によると本歌の柱には傘の柄を用いたといわれている。それゆえ4本の柱の節の位置がそれぞれ違うのか。そしてそれぞれを使うべき場所にも決まりがある。

「竹台子一つ飾り・薄茶」点前座に座っても、お仕舞いにしてからの柄杓と蓋置を飾り付ける場所を思い出せなかった(赤面)。地板、風炉の左方。柄杓は勝手付き三分の一見当にタテに左手で飾り、蓋置きは持ち直して(客付に向いている正面を戻して)柄杓の右側(風炉より)に置き合わせる。茶碗を膝前へ仮置、茶器を天板三分の一(=風炉釜をよけて)飾り、仮置の茶碗を(両器が置合わせてあった場所の真中を見計らって)かえしておく。こぼし、茶碗、水差しをひく。忘れるべからず!

雛祭り(2020.03.03 Tue.)

茶の湯稽古。お菓子は「引千切」(ひちぎり/二条駿河屋製)。このときだけは数種ある中から好きなものを選んでよいという特別ルール@お稽古場。草餅+粒餡を選びたいところ、その組み合わせはなし(以前はあったそうだ。復活を望みます!)。粒餡をファーストプライオリティにして白餅+粒餡を選択。お稽古の後は、八坂さんの月釜(@清々館)へ。小田原の正井宗匠のお席。大胆かつ繊細なお道具のお取り合わせ。世の中が騒然としている中、勇気が湧いてくるような設でした。お菓子も京都の「引千切」(ひちぎり/二条駿河屋製)の他、お国元からお持ち出しいただいた「鉱泉煎餅」(宮ノ下・川邊光榮堂製)と「強羅餅」(強羅・石川菓子舗製)という贅沢さ。行事が相次ぎキャンセルになる中でのひとときは、一入ありがたい(*清々館月釜、来月4月3日は残念ながら中止のようです)。

・覚書:
「八景棚」(即中斎好)
「紅花翁草」「牡丹一華」(アネモネの和名)
「出世網目」 

私たちが学ぶのは一言に要約すれば生き延びるため(あくまでも個人的見解・笑)。苦難に直面したときにいかに冷静に行動できるか。その為には知識も必要だし丈夫な身体もあった方がいい。ただし100%、すべてを完璧に手中に収めることは甚だ難しい。よって持っているもの、得意なこと、を伸ばして行く。私は幸い「原始脳」が発達しているらしいので(家人談)直感的に危険な匂いを察知する能力には優れているようです。歳を重ねてこの能力が少し脅かされているようなので気をつけよう。あれ、でもまた怒りっぽくなるのはダメだよねぇ(笑)