大人の遠足、灘の蔵元へ (2016.02.21 Sun.)

着物女子3人、神戸の酒心館へ。明石のYさん、神戸のFさんとわたし。着物繋がりの友人たち。もう少し暖かい日をイメージしていましたが、それほどではなく。これはお酒で温まらなくちゃ、と返ってモチベーションは上がる(笑)JR六甲道で待ち合わせてタクシーでぴゅっと蔵元さんへ。Fさんが予約してくれた11時からのBコース(ビデオ+蔵内見学+きき酒+お買物)。

こちらの蔵元は阪神淡路大震災で被害に遭い、木造酒蔵全てが倒壊。それ以降に建てられたので、酒蔵も新しい。そのとき、醸造棟の他、お酒と共に文化を楽しめる各種施設も作られたそうだ。第二次世界大戦でも酒蔵全てを焼失しているそうなので、二度も大きな危機に直面したことになる。ご苦労がしのばれる。蔵付きの麹菌も全滅かと思いきや奇跡的に残っていたとか。

神戸を歩くとあちこちで大震災の記憶に遭遇する。あらためて本当に大きな地震災害だったのだと思い知る。

まずビデオで酒造りを学ぶ。ビデオで酒造りの概要を学んだ後は、いよいよ蔵内見学。ご説明の方によるとこちらは中の下、ぐらいの規模とのこと。ステンレスタンクなどの近代的な設備の一角に立派な神棚。時代は変わっても神様をお祀りする気持ちは変わらない。なんだかほっとします。灘の仕込み水は「硬水」、伏見は「軟水」。だから灘のお酒を「男酒」、伏見のお酒を「女酒」と呼ぶそうだ。「硬水」で仕込まれるとしっかりした骨格のお酒に。軟水で仕込まれるとやさしい風合いのお酒に。今度から仕込み水の硬度にも注目してみよう。そして酒米。こちらの酒米が栽培されている棚田の美しいこと。加えて、麹菌と酵母でどんなお酒になるのかが決まる。実際にお酒が作られている場所を拝見し、どんな風に作られているのかを理解すると、今まで以上に愛が深まる。もっともっと飲まなくちゃ、という気持ちになる。でも度を越していけません(笑)

日本酒の醸造過程、詳しいプロセスは日本酒造組合中央会のサイトで。

蔵内見学が終わったら、試飲タイム。待ってました!無料試飲は小さなプラカップ。致し方なし(笑)そしてこの段になってこちらのお酒を飲んだことがあることを思い出した。2012年山中伸弥先生がノーベル賞を取ったときに公式行事で使われた「福寿 純米吟醸」を昨年、知人が拙宅での食事会の折、手土産でお持ちくださったのだ。うんうん、美味しかった味わいも蘇ってきました。こちらは「通い瓶」なるものもあって、瓶を購入して樽から詰めてもらえる。何度でもその瓶は使えるので、昔の通い徳利みたいな存在ですね。これはなかなかいい。さっそく通い瓶にお酒を入れてもらい、屋台販売でアテを買い、テントの下でビールケースに座って飲む。テーブルでご一緒になった方々とも話がはずみあっという間に時間が過ぎる。

帰りに乗ったタクシーが、行きに乗ったタクシーと同じという偶然。運転手さんに明石の美味しいお店の情報もいただき、様々なご縁のあったよい一日となる。お酒の神様のお導きでしょうか。ビデオで拝見した棚田へも行ってみたいと思っていたら、「貸切タクシーで福寿の酒造りを巡る旅」というコースもありました。次はこれか!?

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