宗教哲学講義1 (2016.09.29 Fri.)

今年度後期からH大学のS先生の講義を聴講することになった。復習のため、内容をメモしていくことにする。あくまでも自分用の覚書。講義で読まれる書物は「具舎論」。すでにこの講義は12年行われているそうで、私は途中4章(「行動の因果関係」)部分から。後期から初めて受講する受講者向けに概略の説明あり。質問はいつでもOKルール。そのためもあって先生のお話は縦横無尽。とても面白い。しかし基礎知識の足りない私には理解が難しいことも。したがって、この覚書も勘違い等あるかもしれません。ここに書かれている覚え書きは、講義で取ったメモを元にまとめたもので、すべての文責は私にあることを(公開しているブログなので)念のため申し上げておきます。

◇具舎論:約1,500年前に世親によって書かれた哲学書。韻を踏んだ詩の形式で書かれた偈の後に詩を説明する長行が続く。アビダルマ(阿毘達磨/ジャンル名)のひとつが具舎論
 *佛滅900年に出世。説一切有部という宗派の根本聖典たる阿毘達磨大毘婆娑論の教理を組織してこれに批評を加えたもの(「倶舎論講義」 舟橋水哉著 より抜粋)

◇世親:ガンダーラ地方の生まれ。インドでの名前はヴァスバンドゥ
 *有部の学匠悟入の弟子。しかし有部の教義を確信すべき立たれたので所謂正統有部からみれば或いは異端者かも知れぬ(「倶舎論講義」 舟橋水哉著 より抜粋)
 *興福寺に木像あり

  六 足
   ↓
  発知論
   ↓
  婆娑論 
   ↓
  具舎論
   ↓
  順正理論

◇仏教の目的:この世に生まれなくなること。その確信を持つこと、のふたつ(涅槃)。そのためには業を作らない生活を送る。そのためにどんな業があるのかを知らなければならない。(仏教で考える業とは心が作る。心が伴わないと業ではない)

◇アビダルマの中心地は北部、今のガンダーラとカシミール。もうひとつはスリランカ。スリランカではアビダンマと呼ばれる。

◇哲学的に考える一派=「説一切有部」が現れ、婆娑論(具舎論の前に書かれた最大の哲学書。漢文に訳したのは玄奘三蔵)のころに経部(経量部)と毘婆娑師のグループに分裂。経部は「釈迦に戻れ」毘婆娑師は進歩的(?)。具舎論は、毘婆娑師のお膝元ガンダーラ出身の世親が、経部の地カシミールに留学して著したもの。一見毘婆娑師的に書かれているが、よくよく読んでみると毘婆娑師の立場を批判してい経部的に書かれている。

◇定業と不定業:AKBh 4-54(船橋訳p.271 国訳大蔵p.169)
 ・定業=結果が現れる時期が決まっている。以下の三つの間に結果が出る業
  1)生きている間
  2)輪廻しての次の一生の間
  3)三回目以降
 ・不定業=どこで結果が出るかわからない業

Q:「アビダルマ」とは釈迦の入滅後、教団は律の解釈をめぐっていくつかのグループに分裂して行き、それぞれの部派が独自の解釈で聖典を編纂し直し、本にしたもの、という解釈でいいのか?