ル・マン“ここはイタリア”(2013.10.12 Thu.)

ナントから振り出し地点パリのシャルル・ド・ゴール空港まで一気に移動はちょっと。プラス、日程に若干の余裕がある。途中にどこかよい場所はないかと地図と睨めっこ。ル・マン Le Mansは「ル・マン24時間レース」の開催地という認識しかなかった。しかし意外に旧市街がいい、という情報を得、最終的に、ル・マンに滞在することに。果たしてその結果は… 大正解!しかもル・マンはイタリアだった。住人がフランス語を話すことを除いては。2019年以来すっかりご無沙汰のイタリアに、旅の最後でひょいと出会ったような気分。大きなおまけ。目を見張るローマの遺跡が残りその遺跡の上に築かれている旧市街。宿は旧市街の、サン・ジュリアン大聖堂 Cathédrale St-Julien*の真ん前という好立地。通されたファミリー向けの広い部屋、寝室のひとつにはキリスト様のステンドグラスがあり、以前はおそらくこの館の礼拝所だったのではと想像がかき立てられる。この古い建物にもイタリアの“におひ”がぷんぷん(笑)

ここへ来てから季節も一気に進み、秋をそこかしこに感じられる様になった(嬉)ル・マンの旧市街。歩いているだけでもまことに楽しい。朝市を冷やかし、疲れたらバールで一杯。着いた日に、お昼ご飯にはもう遅く、一杯だけでも飲みたいと入ったお店で、出されたノチョーラ入りのサラミがめちゃくちゃ美味しかったことや、他日、目的のお店に予約でいっぱいと断られて、放浪の末、目に止まったレストラン Le Parvis Saint Hilaireでのお昼がとても良かったことなど、行き当たりばったりなのに、何かしらお導きがあってこの町での滞在も本当に愉快なものに。旧市街を出てサルト川の向こう側にも足を運ぶ。よい公園があり、整然と並んだ通りも美しい。

最後に乗ったタクシーのドライバー(若い男性)が日本に行きたいと言う。多くのフランス人が漫画やアニメが好きで、日本に行きたいと言うので彼もその口かと思ったけれど違うと言う。ではなぜ?と問うと「ガールズ」という答えが返って来た。ガールズ!?と驚いたけれどよくよく聞くと「カーズ」(Cars)でした。お兄さんの英語、ちょっと訛ってますねん(笑)なるほど、愛車もプリウスだしね。彼が言うには、日本の中古車市場では左ハンドルのニーズがあまりないので安いのだそうだ。日本各地にあるという販売センターのサイトを携帯で見せてくれた。さすが、ル・マンと大いに唸る。

四年ぶりの欧州。夏のNZがよいリハビリになったこともあり、トラブルもなく人にも恵まれ本当によい旅になった。今回の滞在でも人々の親切に大いに助けられた。その御恩はどこかでお返しをしよう。シャルル・ド・ゴール空港最寄りのホテルに一泊して、帰国の途に。さぁ、元気にお家に帰ろう。そしてまた旅に出よう!

*観光案内所(Sarthe tourisme)で配布している地図が秀逸。入手必須

*内陣奥の礼拝堂天井に描かれた「天使たちの音楽会」は修復中で見られず、残念でした