8月振り返り駆け足日記(2024.08.31 Sat.)

8月3日に帰国してバタバタと時が過ぎ、気がついたら8月が終わっていた(汗)覚書として、要点のみ日記に記す。

8月16日、大文字の送り火。去年は忙しなく、ゲストも迎えず静かな送り火だった。今年はまた琵琶湖の辺りに住むAさんご夫妻をお招き。Chateau Mouton Rothschild 2004のお相伴に預かる。エチケットは現イギリス王が皇太子時代に描いたもの。

8月17日、西宮の海清寺さんへ。「傑僧 南天棒老師の風光」と題した南天棒老師100年遠諱記念講演(講師・芳澤勝弘先生)。それに先立ち施餓鬼法要に参列。初めての経験。大いに興味深いものなり。ご講演とご法要が終わって泉仙さんの鉄鉢精進料理をいただいてお寺さんを後に。有意義な一日だった。

8月23日茶湯稽古。めちゃくちゃ久しぶりのお稽古。着物も久しぶり。ゆえに帯板を忘れるの愚。

8月24日25日、5年ぶりの乾山セミナー@宝蔵寺。初日は「京焼のなかの乾山焼き・・・銹絵・染付・白泥使用の視点から」講師 梶山博史氏(大阪市立東洋陶磁美術館学芸課課長代理)「<京織部>としての乾山焼」講師 尾野裕氏(京都国立博物館学芸部長)二日目は「美術商から見た乾山焼」と題して加藤祥平氏(徳川美術館学芸員)の司会で永坂知久・永坂正行氏(名古屋・茶道具商ながさか)親子のフリートーク。こちらがまた面白いの何の! 次いで乾山焼の鑑賞会。実際に手に取って鑑賞する貴重な機会を与えていただきました。

8月30日、お稽古先の行事。ノロノロで行先もなかなか決まらない台風10号に翻弄されましたが、無事開催。

8月31日、勉強会@大阪は台風のためお休みとなった。代わりに京セラ美術館。「村上隆 もののけ 京都」再訪。「奥村厚一 光の風景画家展」及びコレクションルームの展示も見る。

Nantesあとがき(2024.08.01 Thu.)

パリオリンピック、サッカーの試合を観戦、という目的の為に8泊という滞在になった。欲張らずに街をゆるゆる愉しんだ。それで見えてきたこともある。一番印象に残っているのは、助けを必要としている人自身が、近くの人に助けを求めること。ある日のトラム。座っていたご婦人が近くの女性に声を掛け、トラムを降りるのを助けてもらっていた。声を掛ける方も掛けられた方も、いつものこと、といった風情で。あるとき私も年配の女性から声を掛けられた。通りを渡るのに手を貸して欲しい、というリクエスト。喜んで腕を出した。声をかけるべきかどうか、悩むケースも多いので、手助けが必要な方が自ら声を発してくれたなら、悶々と言うこともない。それが極々自然に普通のこととして遭遇する機会があったナント。もう一場面。空港に向かうシャトルバス乗り場。券売機で四苦八苦している日本人男性と思しき方。周りにいた方々が代わりばんこに声をかける。「バスの中でも支払えるのよ」と。普段は他人のことなど我関せず。でも困っている人にはアテンション。日本では逆のケースも多々あって、苦々しく思うことも増えてきた。以前はイタリア馬鹿で、フランスのことはさほどでもでなかったけれど、気がついたら随分と好きになっていた(笑)ナントの街も、昨秋訪れたときは「二度はない」と思った場所。それがサッカーに、なでしこに導かれ、再び来てみたら意外や意外、好きな街に。三度もあるかも、と思うくらいに。いやはや、面白いものである。

ふたたびなでしこ(2024.07.31 Wed.)

私たちの本命は“なでしこ”です。きっぱり(笑)予選リーグ最終戦の相手はナイジェリア。昨日よりはましだが今日も蒸し暑い。チケットはいつの間にかしれっと普通の席になっていた。やはり「あれ」は間違いだったのだ!! 今日はナント最終日。心置きなく楽しもうと、まずは植物園のカフェでランチ。予約はしたし、とるんるんと出かけてみると予約は取れていなかった。リクエストが送信できたので、戻ってきたレスポンスもOKとばかり思っていた。思い込み、早合点、からきしのフランス語ゆえか(大泣)先日ティータイムでお寄りしたときに、お客さんが食べていたムール貝が美味しそうだったから今日はそれ! と意気込んでいたやぎ。申し訳ない。今度来たとき(3回目はあるのか!?)にリベンジしよう。それでは夜にと思っていたバスク料理店へ。悪くはなかったけれどバスク料理、なのかしら。バスクへ行ったことがないからわからないけれど(笑)

今日のゲームは午後5時スタート。このスケジュールだと終わってからレストランへ繰り出せるのがありがたい。今宵はなでしこの動きがいい。安心して見ていられる。美南さんがゴールを決めて良かった。千葉さん、一本くらい決めて欲しかった(笑)取られた一本はパスミスから。結果は3対1で決勝トーナメント進出決定!! 今日も蒸し暑かったけれど、風が吹き抜ける場所を見つけて移動。昨夜よりも楽な観戦となった。

やぎ観戦記はこちら

ホテルに戻り、シャワーを浴びてすっきり。お祝いに老舗の魚介類のお店へ。予約はしていなかったけれど、運良く席につけた。今日も牡蠣(笑)お祝いだしシャンパーニュを奮発することに。ギャルソンが「個人的に一番好き」というものにする。こちらの店名は「蝉」。壁の装飾タイルもセミ。白いチュチュを着たセミやマンドリンを肩にかけたセミなど。やぎはセミには見えないと言うけれど。この辺りにはセミは生息していないはずなのに、なぜセミ!? その質問をギャルソンにぶつけてみると、広場をはさんで真向かいに建つ劇場のダンサーに由来する、との説明。劇場のダンサーチームの名前がLA CIGALEで舞台が跳ねた後によくお店に来ていて、云々と。でもそれだと昔は違う名前だったってこと? ふむ、これは要追跡調査。お隣に日本人のご家族。30年前にナントに住んでいたそうだ。そのときは日本料理屋さんも一軒のみ。今は20軒はあるとか。今回お使いの航空キャリアのことなどお聞きしたり、こちらからもお勧めの場所をお話ししたり。こういうお出会いも旅のお楽しみ。お勧めの泡はものすごく美味しかったし、お魚料理もよくて、大満足。外観も可愛らしいお店で、気になっていたので、訪れることができてよかった。植物園のカフェに振られたお陰。カフェでランチを取っていたら、夜にバスク料理店へ行くことになりここへは来られなかった。

さて、1895年創業のブラッスリー、LA CIGAL。ナント出身の建築家、陶芸家、水彩画家であるエミール・リバウディエール(Émile Libaudière)の設計。彼はプロジェクトを実現するために、彫刻家のエミール・ゴシェ、画家のジョルジュ・ルヴロー、装飾家・椅子張り職人のルイ・プレオベールに協力を仰ぎ、技術とノウハウを結集させたそうだ。そして店名LA CIGALは、この設計者が “ラ・フォンテーヌの寓話に登場するセミ” をモチーフにした装飾に由来する、らしい。ときはアール・ヌーヴォー真っ盛り。そしてこのブラッスリーはすぐに大成功を収める。貴族やブルジョワたちが、グラスラン劇場の女優やダンサーたちと戯れるためにこの店に集まり、少しづつナントのあらゆる人々が店内を占拠するようになった。ビジターブックには数多くの芸術家たちの賛辞の言葉も。1943年9月の大空襲も耐え抜き、1964年に歴史的建造物に指定されたが、浮き沈みあり。セルフサービスのお店に改装され、より民主的になり空席がなくなることはなかったが、内装は維持されず、ピンボールマシンが陶器を隠し、人々はジュークボックスから最新のヒット曲が流れる店内にスクスを食べに来た、とある。1977年に新しいオーナーが引き継いでから、修復作業が始まり、1982年に支配人のヤニック・カーティと共同支配人のミッシェル・パヴァゴーが「ラ・シガールを四季折々に歌い継がせる」« refaire chanter la Cigale à toutes les saisons»ことを決意し、創業当時の輝きが取り戻され、今に至るとのこと。以上こちらのページ参照。

イスラエル戦(2024.07.30 Tue.)

非常に蒸し暑くなった。今夜のゲームは午後9時スタート。その頃には少しは湿度と暑さが和らいで欲しい。美味しいフォーを食べさせてもらえるお店にアタック。昨秋大ファンになったところ。営業日のはずなのに人気がない。ふむ。どうしようと思案していたところに郵便配達人の男性3名。揃って斜め前のお店に入っていく。見るとバーガー屋さん。バーガーにビールも悪くないか。美味しそうだし、とカウンターへ。テイクアウト以外はテーブルで注文を取るという。適当な場所に座り、最初だから一番シンプルなものにしようと決める。むかしむかし、北米にホームステイをしていたころ、手作りのパテで作るバーガーは美味しいものである、ということを学んだ。Mのようなチェーン店のものはダメだけど(笑)予想通りこちらのパテも美味しい。バンズもいい。バーガー+クラフトビール、最強です。

スタジアムへ行く前にホテルの部屋で腹ごしらえ。バケットに残っていたソーセージなどをつまみ、始末の夜(笑)今日のチケットは普通席。オーダー通りのデジタルチケットで安堵。ラグビーのW杯と違ってアルコールの販売もないし(このときが特別の計らいだった)飲食店の出店もないので、今日は最初より少しゆるゆる出かける。依然蒸し暑い。木陰で開場を待つ。なでしこの試合より圧倒的に日本人サポーターの数が多い。そして今日は警備の数もすごい。暑かったからか予定より30分ほど開場が早まる。こう言う臨機応変な対応は素晴らしい。荷物チェック、前回はアナウンス通り水筒の中の水の匂いをかぐ、というようなこともあったけれど、今回はなし。しかもスタンドではペットボトルを持っている人も結構見かける。あれ!? ペットボトル持ち込み禁止じゃなかったけ?

GK玲央ブライアンくんの好セーブが目立った。つまり危なかったけれど、勝ってよかった。すでに予選リーグ突破が決まっていたとはいえ。戻って開いていたバーで一位通過のお祝い。ムッシュが一人でやっている個性的なバー。こう言うお店も外に椅子が出ていて、開放的なので入りやすい。扉が閉まっていたらきっと入らなかった。ちょっとした冒険に心が弾む。イスラエルに勝ってくれたお陰です。選手のみなさん、ありがとう!それにしても蒸し暑かった。ピッチの選手も大変だったことだろう。

試合の様子はやぎのページでも。

海を目指す(2024.07.29 Mon.)

一日くらいは他所へ行こうと野生の勘で選んだのは海沿いの町、Pornic。所要時間は1時間10分。本数も多いので帰りの心配もない。乗り込んだ列車は混み混み。早めに乗車したので席につけましたが、通路まで開放的な服装の方々でいっぱい。ほとんどの人はひとつ手前の駅で下車。どうやら海水浴場のよう。皆さん、お目当ては海水浴だったのね。さて、ポルニック。うーん、気持ちいい。足を伸ばして大正解。ランチに選んだレストランも大当たり、どんどん!! またも牡蠣を頼む。えっ、自分で開けるの!? と心配になっちゃいました。そんな訳、ないよね(苦笑)その後は、エイヒレとタラのお料理をそれぞれオーダーして、やぎはデセール、私はチーズまで行く。お薦めいただいたワインもミネラリーでお料理によく合い、花丸。海岸沿いだけではなくて少し町の中にも。かわいい町並み。海沿いのため、日差しも強く、中に入った教会で涼んでいるうちに一眠り(苦笑)ひとときの休息を与えてくださった神様に感謝して、ポルニックを後にする。

ナントに戻り、今日は早めにベッドに潜り込む。明日の夜は、男子のイスラエル戦。色んな意味でちょっとどきどきする。