京セラ美術館その2(2025.02.05 Wed.)

「世界が見惚れた京都のやきもの~明治の神業」展では幹山伝七の洋食器にも目を奪われた。幹山伝七、1821(文政4)~1890(明治23)、は“彦根落で湖東焼を手掛けた後、1862年に京都東山に移って作陶を行い、「松雲亭」や「加藤山」の名で活動した。京都で最も早く磁器を専業とし、西洋顔料を取り入れ、大規模な工場を構えた。1872年、京都博覧会の出品作が明治天皇の買上となり、翌年宮内省から洋食器の制作を依頼された。1887年に幹山陶器株式会社を設立した。1878年、パリ万国博覧会で銀障を受賞するなど内外の博覧会でも活躍した。”そうだ。

写真上は宮内省から依頼された「染付四季草花文洋食大皿 明治12年 磁器 関和男蔵」
写真下は「金彩色絵草花文皿 明治6年 磁器 関和男蔵」1873(明治6)年に手がけた洋食器75種の内の一枚。これは海外資客の迎査施設であった「延遼館*」に備え付けのものだったそうだ。この洋食器セットはまとまって現存していないため、全貌はいまだ明らかではない、とのこと。“器形は洋風だが、日本画に描かれるような伝統的な日本の草花文を、洋食器の形状に違和感なく調和させている。”との説明通りたいへん魅力的。

*延遼館:東京都中央区の浜離宮の北門にあった館。 1869(明治2)年、浜御殿石室(木造洋風建築)を、外国からの賓客を接待するために改修したもの。さらに詳しくはこちらで。

京セラ美術館(2025.02.05 Wed.)

メンバーシップ会員限定コレクションルーム冬期ギャラリートークに応募。当選の報を受け、出かける。現在コレクションルームで開催中の展覧会は「世界が見惚れた京都のやきもの~明治の神業」この時代の陶芸品はあまり馴染みがない。美術館サイトにもこのような説明があった。“欧米の強国が日本に迫り来る明治時代、京都では、世界を驚嘆させたやきものが生まれました。万国博覧会で人気を博し、多くが海外へ輸出されたため、その存在は長らく謎に包まれていましたが、近年になってようやく国内外で紹介されるようになりました。”

今回の展示は堺市在住のコレクターからの寄託作品とのこと。どれもこれも素晴らしいもので新たな扉が開いた心持ち。集めてくださったコレクターに感謝。展示を企画してくださった美術館に感謝。

・写真上:(三代)清風與平(嘉永4一大正3)瑍白磁蟲図花瓶 明治38年頃-大正3年頃 磁器 閧和男蔵
・写真中:(三代)清風與平(嘉永4-大正3)段錦文水注 明治30年頃-大正3年 磁器 闌和男蔵
・写真下:(初代)伊東陶山(弘化3-大正9)海鼠釉蛙付籠形花監器 明治後期一大正9年 陶器 関和男蔵

節分前日祭@吉田神社(2025.02.01 Sat.)

今年は2月3日が立春。今日、明日と吉田神社境内に露店が並ぶ。火炉祭で焚き上げていただく古札などを納め、破魔矢をいただき、これまた恒例のだるまみくじを引く。目が合っただるまさん。本年は第十一番(吉)。「願望」の“身分に応ずることを忘れず”を忘れないようにしよう。大安さんの「節分だいこん」松井酒造さんの「にごり」などのこれまた毎年のお楽しみを買い求める。日中は晴れて暖か。夕方ごろになってお天気下り坂。毎回出発を見守る「鬼やらい神事」を空腹にも負け、今年は見送ってしまった。後からご近所のシスターズが舎人で、今年も参加していたことを知る。地団駄!

福引付き福豆も3袋。狙うは三島亭さんPresents。一度は伺いたいと思いつつ、牛にもさほど愛がないため未だ実現せず。神様、どうぞお当てください!!(笑)

ネマニャ・ラドゥロヴィチ(2025.01.26 Sun.)

presents ドゥーブル・サンスを聴きに兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールへ。琵琶湖の辺りに住むA夫妻に誘われたのですが、ネマニャ・ラドゥロヴィチさんの風貌に惹かれふたつ返事で。ヴェートーベンとバッハというクラシックど真ん中のプログラムでしたが、作曲家の意図するところは押さえつつ、その上にもう一枚非常に魅力的な薄衣を纏っているような魅力を感じました。ネマニャさんの笑顔もすてき。ドゥーブル・サンスの面々もとても楽しそう。音楽の持つ魅力や力を肩肘張らず感じさせてくれるとても魅力的なコンチェルト。アンコールで「竹田の子守唄」を演奏してくださったのも、いい!音楽って本当に素晴らしいと思える時間でした。またぜひお聴きしたい。そしてチェンバロ。チェンバロにも色んな形があることを知る。

【出演】
ネマニャ・ラドゥロヴィチ(ヴァイオリン)
ドゥーブル・サンス (弦楽合奏/チェンバロ)

【プログラム】
ベートーヴェン(ラドゥロヴィチ編):ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調 op.47「クロイツェル」(ヴァイオリン・ソロ & 弦楽合奏版)
I.Adagio sostenuto-Presto
II.Andante con variazioni
III.Presto

***** 休 憩 *****

J.S.バッハ:シャコンヌ(無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調 BWV1004より)*ヴァイオリン独奏

J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 BWV1052R (原曲:チェンバロ協奏曲)
I.Allegro
II.Adagio
III.Allegro

【アンコール🎶】
モンティ:チャールダーシュ
民語:竹田の子守歌
伝統舞曲:パショーナ・コロ

会始め(2025.01.17 Fri.)

あの日から30年。スケジュールの関係で本日お稽古場の行事に出張る。毎年めぐってくる日にちですが、30年ということで一入心に重くのしかかる。当時はまだインターネット環境がなく、会社に届いた夕刊で知った。その時の驚きは筆舌に尽くし難い。14年前に京都へ居を移してから、実際に震災に遭われた方のお話を聞く機会も多くなった。防衛より防災、減災。民を思う気持ちなくして政と言うことなかれ。明日は我が身。この言葉をあらためて心に刻む。

穏やかなお天気の下、茶湯に親しむ時間を持てることを本当にありがたいと思う。