新春コンチェルト(2023.01.21 Sat.)

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今年初めてのコンチェルトは五嶋みどりさん。大阪のザ・シンフォニーホール開館40周年特別プログラムのひとつ。オーケストラは日本センチュリー楽団。指揮は高関健さん。みどりさんもデビュー40周年とのこと。40周年が二つ重なったまことにおめでたいコンチェルトである。開演に先立ちプレイベントがあった。その後、開演。チャイコフスキー三昧。まずはオーケストラのイタリア奇想曲と幻想序曲「ロメオとジュリエット」そして休憩をはさんでヴァイオリン協奏曲。いよいよみどりさんの登場。固定観念でロングドレスで現れると思っていたら、ブラウスにパンツという出たち。正直ちょっとびっくりしました。演奏が始まってその訳が判明。みどりさん、動く動く。前に拝見したときより動きが大きくなっている。この動きではドレスは無理かも!? だからパンツだったのか、と勝手に合点(笑)今回は最前列の席にはお人を入れず、2列目の私たちが実質最前列。近すぎてよく見えない、というパラドックス(笑)最初は「しまった! みどりさんが全然見えない」と焦りましたが、動きが大きかったので見える時間もかなりあり、安堵。大相撲の「砂かぶり席」に匹敵する座席で、楽器(舞台に向かって右手だったので、主にコントラバス)と演奏者を間近に拝見できて、非常に迫力があり面白かったです。そしてみどりさんの演奏も。弓を持つ手が上下だけでなく回旋している。トルネードのように! これがあれだけの音色を生み出す秘訣なのか。チャイコフスキーのイタリア感も大いに堪能できるプログラムで、イタリア好きの私たちにはとてもうれしいプログラムでした。それにしてもヴァイオリン協奏曲。初演を依頼されたレオポルド・アウアーが「演奏不可能」という理由で楽譜を突き返したというエピソードにも頷ける。そして初演はその3年後、ウィーンにて。アドルフ・ブロツキー独奏、ハンス・リヒター指揮ウィーン・フィルで実現。しかし評判は芳しくなかったそうです。なんでだろう。当時の感覚にはモダン過ぎたのかしら。

偶然、琵琶湖の辺りに住むAさんご夫妻もこのコンチェルトにお出ましで、終わった後は京都へ移動し美味しく楽しいディナーをご一緒する。よい音楽を聴いた後にいただくワインは一入。余韻を楽しみながらまことに愉快な夜になりました。

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『五嶋みどりデビュー40周年×ザ・シンフォニーホール開館40周年 特別公演』
[ヴァイオリン]五嶋みどり
[指揮]高関 健
[管弦楽]日本センチュリー交響楽団
チャイコフスキー:イタリア奇想曲 op.45
チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35

アンコール曲
バッハ:無伴奏のためのパルティータ 第3番 ホ長調BWV1006 より 第1楽章
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本日の装い。結城の杢(龍田屋さん)に吉田美保子さんの帯、佐藤竜子さんの帯締めに、白倉えみさんの十字型白磁の帯留。