アルバレット村三日目 (2013.10.04.Fri.)

今朝も一面の霧。寒い。今夜はもう一つの目的。フィリッポさんのお店。遠出はせずにご近所散策の一日に。目的なく歩くのが目的(笑)来たときには昆虫も見かけたけれどめっきり寒くなったので虫さんたちも姿を消した。このまま冬になるのだろうか。ランゲ地方は丘と谷が続く丘陵地帯。名前の由来がこちらのページにありました。なるほどなるほど。その丘と谷をのんびり歩く。歩き疲れたらお昼。初日にうかがったLa Torreでちゃんと食べてみよう、と相成った。お店に伺うと、わぁ、大賑わい。メニューはなくてお店の方が「今日のお料理」を説明してくれる。ワインは相方のリクエストで白。でも一本は飲めないなぁ。ハーフがない変わりにフルボトルを「飲んだだけ」システムがありました。これときどきあるけど、絶対飲み切っちゃうよね(笑)とにかく嬉しいシステムではあります。頼まなかったけれどまさに「ビアンコマンジャーレ」(今はドルチェの名前になっていますが、元々は白い料理のこと。なぜか白いものは身体にいいと思われていた時代があった)何も入ってないお米だけのリゾット、というのもあった。近くの女性が頼んでいて、とても美味しいのよぉと。しまった。食べてみればよかった。アンティパストはフリフリレタスの上にツナマヨがのったトマトとゆで卵の一皿とサーモンの酢漬け。Pasato Verdureと呼ばれる野菜が裏ごしされピューレ状になったものも頼んでみる。なかなか美味しい。その他にはラヴィオリのセージバター、オットはもう一度食べたい!とパンナコッタ、私も今日は食べるぞと、トルタ ディ ノッチャーラを。トルタ ディ ノッチャーラも美味しい。小麦粉が使われておらず、ヘーゼルナッツの粉だけなのでとても軽い。最後にカッフェで〆。結局白ワインも一本丸々空いてしまう(笑)それでもお会計は€32。こう言うタイプのイタリア料理店は日本にはないかなぁ。見た目はそっけないけれど美味しい、というお料理。旅をしている気分がぐぐっと盛り上がる。シェフへのメッセージもしっかり受け取り、お店を後に。

宿へ戻るとめずらしくお父さん。ノッチョーラについてちょこっとお尋ねしたら色々話してくださった。お父さんのノッチョーラ畑はお父さんのお父さんがワイン畑から転換したそうだ。ノッチョーラも味見させてもらう。へぇ、生でも美味しいんだね。ご自慢のトラクターも見せてもらう(男の人はトラクターが好き・笑)ブドウ畑も少し残しているそうで、一房美味しいブドウもいただく。部屋に戻って一眠り。今日もよく歩いたからねぇ。

夕方ごそごそと起き上がり、すぐご近所のフィリッポさんのお店、OSTE IN ALBARETTO Filippoへ。小雨が降って来たので今日はお洋服。お店のドアを開けるとフィリッポさんが笑顔で迎えてくれる。シェフのミケーラさんも厨房から出てきてくださり再会。いやぁ、本当に来ちゃったんだね、私たち。先客はご近所の農家さん。皆永田シェフを知ってるよ。まいったね(笑)フィリッポさんが農家の方が作った果物を見せてくださる。う〜ん、いい香り。家庭的な雰囲気で、お父様のお店とはまた違った味わいがある。お料理を選び、今宵は大好きなバルバレスコを。アンティパスト、リゾット、パスタ、どれもやさしい味で食べ飽きない。もっと食べたいと思える味。セコンド(兎ちゃん)まで行ってしまいました。ワインも美味しい。そうこうする内に賑やかな一団が。あれ?お父様!?今日からケラスコという町の教会でご本人の作品(手描きのメニュー)展。初日を終えて関係者とやってきたようだ。食事が終ったらこっちのテーブルへいらっしゃいとお誘いいただく。お言葉に甘えて、グラッパ片手に移動。思いがけなくお喋りに混ぜていただき楽しいひととき。ふふふ、人間模様もちらりと垣間見てあれこれ妄想も膨らんで(笑)アルバレット最後の夜も楽しく更けて行く。

アルバレット村は小さいのに個性が違うお店が三軒もあって楽しい。後からリタさんにもう一箇所、ここも美味しいと教えてもらったお店。次はこちらへもぜひ!